奨学金の種類・申し込み方法・返済まで徹底解説【2026年版】
この記事のポイント
奨学金は給付型(返済不要)と貸与型(第一種・無利子、第二種・有利子)に分かれ、JASSOの給付型は収入・学力基準を満たす必要がある。申し込みはスカラネット経由で行い、返済困難時は猶予・減額制度で最長15年まで対応できる。
「奨学金って給付型と貸与型どっちが自分に合ってるの?返済が将来の生活に響かないか心配で、どこから調べればいいかもわからない」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 給付型・貸与型など奨学金の種類と特徴
- 申し込み方法と必要書類の準備
- 返済の仕組みと困ったときの救済制度
奨学金は種類や条件を正しく理解すれば、自分に合った制度を選べます。給付型を含めた選択肢や返済の実態まで把握することで、将来の不安を減らすことができます。ぜひ最後まで読み進めてください。
奨学金の種類をわかりやすく解説
奨学金には大きく分けて「給付型」と「貸与型」の2種類があります。さらに運営機関によって、JASSO(日本学生支援機構)の奨学金と、民間・地方自治体・大学独自の奨学金に分かれます。それぞれの特徴を正しく理解することが、自分に合った奨学金を選ぶ第一歩です。
給付型奨学金の特徴
給付型奨学金は、返還義務がないのが最大のメリットです。受け取った金額を卒業後に返す必要がなく、将来の経済的負担を抑えながら進学できます。
JASSOの給付型奨学金(スカラネット経由で申し込み)は、家計基準と学力基準の両方を満たす必要があります。支給額は在籍する学校の種別や自宅通学・自宅外通学の別によって異なります。
給付型奨学金には以下のような特徴があります。
- 返還不要で卒業後の負担がない
- 採用基準(家計・学力)が比較的厳しい
- 国公立・私立・通学形態によって支給額が変わる
- JASSOの給付型と授業料減免制度はセットで受給できる
給付型は採用人数に上限があるため、申し込む場合は学校の予約採用(高校3年次)のスケジュールをあらかじめ確認しておくことが大切です。
貸与型奨学金の特徴
貸与型奨学金は、在学中に受け取った金額を卒業後に返還する制度です。JASSOには「第一種(無利子)」と「第二種(有利子)」の2種類があります。
第一種は無利子のため返済負担が少ない反面、採用基準が厳しく設定されています。第二種は採用基準が比較的緩やかですが、在学中から利息が発生するため、総返済額が増える点に注意が必要です。
| 種別 | 利子 | 採用基準 | 月額の目安 |
|---|---|---|---|
| 第一種(無利子) | なし | 厳しい | 2〜6万円 |
| 第二種(有利子) | 年3%上限 | 比較的緩やか | 2〜12万円 |
貸与型の奨学金は、スカラネットへのログインから申し込み手続きを進めます。返済は卒業後6か月を目安に始まり、返済期間は借入総額によって異なります。
JASSO以外の奨学金制度
奨学金はJASSOだけではありません。地方自治体、民間財団、大学独自の制度など、さまざまな機関が奨学金を提供しています。
- 地方自治体の奨学金:都道府県や市区町村が独自に運営。地元出身者や地域定着を条件にした返還免除型もある
- 民間財団の奨学金:返還不要の給付型が多く、月額10万円規模の支援もある。面接選考が必須のケースが多い
- 大学独自の奨学金:各大学が独自基準で運営。授業料減免と組み合わせて利用できる場合もある
- 企業・団体の奨学金:特定の業種・専門分野の人材育成を目的とする。卒業後の就職先や勤務地に条件が付く場合がある
JASSO以外の奨学金は、JASSOとの重複受給が可能なケースもあります。複数の制度を組み合わせることで、より手厚い支援を受けられます。
奨学金の種類を比較
奨学金を選ぶ際は、「返還の有無」と「採用基準の難易度」を軸に検討するのが基本です。下の表で主要な種類を比較します。
| 種類 | 運営機関 | 返還 | 採用基準 |
|---|---|---|---|
| 給付型奨学金 | JASSO | 不要 | 厳しい |
| 第一種奨学金(無利子) | JASSO | 必要 | 厳しい |
| 第二種奨学金(有利子) | JASSO | 必要 | 比較的緩やか |
| 給付型奨学金 | 民間・財団 | 不要 | 団体により異なる |
| 奨学金 | 大学独自 | 不要または必要 | 大学により異なる |
| 奨学金 | 地方自治体 | 条件付き免除あり | 自治体により異なる |
選び方の優先順位は、給付型(返還不要)を最初に検討し、次に第一種(無利子)、最後に第二種(有利子)の順が一般的です。複数の奨学金を組み合わせて申し込みを検討する場合は、各制度の重複受給の可否を必ず確認してください。
奨学金の申し込み方法
奨学金の申し込みは、主にJASSO(日本学生支援機構)のシステム「スカラネット」を通じてインターネットで行います。申し込み時期や手順は「予約採用」と「在学採用」で異なるため、自分のタイミングに合った方法を選ぶことが大切です。
申し込み資格と条件
奨学金に申し込むには、学力基準と家計基準の両方を満たす必要があります。学力基準は奨学金の種類ごとに異なります。
| 種類 | 学力基準の目安 |
|---|---|
| 給付型 | 高校等の評定平均3.5以上、または入学者選抜の成績が上位1/2以内 |
| 第一種(無利子)貸与型 | 高校の評定平均3.5以上が目安(大学等では在籍校の基準による) |
| 第二種(有利子)貸与型 | 給付型・第一種より基準が緩やか |
家計基準は、世帯の収入や資産、家族構成などをもとに判定され、申込時点で資産合計が5,000万円未満であることも要件です。JASSOの「進学資金シミュレーター」を使うと、対象になるかどうかを事前に確認できます。また、大学独自や民間制度では選考として奨学金の面接が実施されることもあります。
申し込みの流れ
奨学金の申し込みには「予約採用」と「在学採用」の2つのルートがあります。
| 種別 | 申し込み時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 予約採用 | 高校3年生の春〜夏 | 進学前に申し込み、進学後すぐに支給開始できる |
| 在学採用 | 大学進学後の春・秋 | 進学後に在学校を通じて申し込む |
予約採用のスカラネット申し込み手順は次のとおりです。
- 在籍する高校で説明会・書類配布を受ける
- スカラネットに必要事項を入力・送信する
- マイナンバーをインターネットで提出後、書類を簡易書留で郵送する
- 採用候補者として認定された後、進学先の大学で手続きを完了する
在学採用は大学等の窓口から案内が届き次第、同様にスカラネットで申し込みます。
必要書類と準備のポイント
申し込みに必要な主な書類は以下のとおりです。
- 奨学金確認書兼地方税同意書(申込書類に同封)
- マイナンバー関連書類(個人番号カードまたは通知カードのコピー)
- 身元確認書類(健康保険証、運転免許証など)
- 収入に関する証明書類(源泉徴収票や確定申告書など)
スカラネット入力時に必要な「申込ID(10桁)」と「初期パスワード(6桁)」は配布書類に記載されているため、紛失しないよう大切に保管しましょう。人的保証を選択する場合は奨学金の保証人の条件や必要書類について、事前に家族と情報を共有して準備しておくことをお勧めします。
スケジュールと締切
2026年度の予約採用では、申し込み期間が複数回設けられています。
- 1回目:4月21日〜5月31日
- 2回目:6月1日〜6月30日
在学採用は大学等が設定した学内締切に従い、締切を過ぎると申し込みができません。学内掲示板やメール通知を定期的にチェックして、早めに奨学金担当窓口へ確認しましょう。
奨学金の金額と収入基準
奨学金の受給を検討する際、支給額と収入基準の両方を事前に把握しておくことが重要です。給付型と貸与型では金額の水準が大きく異なり、家庭の年収によって受給できる区分も変わります。
給付型の支給額
JASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金は、返還不要の支援金として毎月振り込まれます。支給額は世帯収入に基づく「支援区分(第Ⅰ〜第Ⅳ区分)」と、学校の種類・通学形態によって決まります。
2026年度の支給月額の目安は以下の通りです。
| 支援区分 | 国公立・自宅 | 国公立・自宅外 | 私立・自宅 | 私立・自宅外 |
|---|---|---|---|---|
| 第Ⅰ区分(住民税非課税) | 約29,600円 | 約66,600円 | 約38,600円 | 約75,600円 |
| 第Ⅱ区分(第Ⅰの2/3) | 約19,700円 | 約44,400円 | 約25,700円 | 約50,400円 |
| 第Ⅲ区分(第Ⅰの1/3) | 約9,900円 | 約22,200円 | 約12,900円 | 約25,200円 |
| 第Ⅳ区分(多子世帯等) | 約9,900円 | 約22,200円 | 約12,900円 | 約25,200円 |
第Ⅰ区分は住民税が非課税の世帯が対象で、最も手厚い支援を受けられます。自宅外通学の場合は通学費の負担を考慮した金額設定になっています。
貸与型の月額と総額
貸与型奨学金は返還が必要ですが、無利子の第一種と有利子の第二種から選べ、将来のために奨学金をいくら借りるのがベストか本人が希望額を選択する仕組みです。
| 種類 | 月額の範囲 | 利子 |
|---|---|---|
| 第一種奨学金(無利子) | 2〜6.4万円(自宅外は最大6.4万円) | なし |
| 第二種奨学金(有利子) | 2〜12万円(1万円刻みで選択) | 年3%上限 |
4年間で第二種奨学金の月額5万円を借りた場合、総借入額は240万円になります。利子を含めた返還総額は選択する利率と返還期間によって変動するため、日本学生支援機構の返還シミュレーターで事前に確認することをおすすめします。
第一種と第二種は併用も可能です。ただし、収入基準が異なるため、片方のみ受給できるケースもあります。
収入基準の目安
奨学金の収入基準は、世帯人数や家族構成によって異なります。下表は両親・本人・中学生の4人家族(給与所得者世帯)を前提とした目安です。
| 奨学金の種類 | 世帯年収の目安 |
|---|---|
| 給付型(第Ⅰ区分) | 約271万円以下 |
| 給付型(第Ⅳ区分まで) | 約600万円以下 |
| 貸与型・第一種(無利子) | 約747万円以下 |
| 貸与型・第二種(有利子) | 約1,100万円以下 |
年収800万円の世帯では給付型の対象外になりますが、第二種奨学金は申し込めます。一方、年収600万円以下であれば給付型の受給可能性があり、授業料等減免との組み合わせで進学コストを大きく抑えられます。
収入基準の判定は住民税の課税情報をもとに算出されるため、給与収入だけでなく事業所得や不動産収入も反映されます。自分の世帯の収入基準に当てはまるかどうかは、スカラネット(奨学金の申し込みシステム)やJASSOの公式サイトで試算できます。
奨学金の返済方法と注意点
奨学金の返済は、貸与型を利用した場合にのみ発生します。給付型には返済義務がないため、借りた種類を確認することが最初のステップです。
返済の仕組みと期間
貸与型奨学金の返済は、卒業(または修了・退学)した翌月から6か月後に始まります。返済期間は最長20年で、毎月定額を支払う定額返還方式が基本です。
返還方式には2種類あります。
| 返還方式 | 内容 |
|---|---|
| 定額返還方式 | 毎月同額を返還。収入にかかわらず一定 |
| 所得連動返還方式 | 前年の所得に応じて返還額が変動。第一種のみ選択可能 |
第一種奨学金(無利子)は借りた金額がそのまま返還総額になります。第二種奨学金(有利子)は奨学金の金利が年3%を上限として設定されており、実際の返還総額は利息分だけ増えます。
たとえば240万円を月5万円で借りた場合、利率0.5%・返還期間15年の条件では月々約1万3,800円・総額約248万円の返還となります。
返済が困難なときの猶予・減額制度
収入の減少や病気・失業などで返済が難しくなった場合、JASSOには2つの支援制度があります。無断で延滞せず、早めに申請することが重要です。
- 返還期限猶予:最長10年間(120か月)、返還を一時停止できる制度
- 減額返還制度:月々の返還額を2分の1または3分の1に減らせる制度(最長15年・180か月)
2026年度から減額返還制度の対象となる年収上限が400万円以下(年間所得300万円以下)に引き上げられました。以前の325万円以下から条件が緩和されたため、利用しやすくなっています。
申請はスカラネット・パーソナル(スカラネットへのログイン)から行えます。在学中の進学・留年・休学の場合は在学猶予として別途申請が必要です。
返済シミュレーション
JASSO公式サイトでは、貸与総額・月額・返還期間・利率を入力して返還月額と総返還額を試算できるシミュレーターを提供しています。進学前・受給中いずれのタイミングでも確認できます。
代表的な条件での返還例は以下のとおりです。
| 借入総額 | 種別 | 想定利率 | 月額返還 | 返還期間 |
|---|---|---|---|---|
| 160万円 | 第一種(無利子) | 0% | 約1万円 | 約13年4か月 |
| 240万円 | 第二種(有利子) | 0.5% | 約1万3,800円 | 約15年 |
| 400万円 | 第二種(有利子) | 0.5% | 約1万6,700円 | 約21年 |
シミュレーションを使って卒業後の家計を事前にイメージしておくと、無理のない借入額を判断しやすくなります。
延滞時のリスク
返還を延滞すると、3か月以上の滞納で個人信用情報機関(KSC)に延滞情報が登録されます。登録されると、クレジットカードの発行・スマートフォンの分割購入・住宅ローンの審査に影響が出ます。
情報は返還完了から5年後に削除されますが、その間は金融取引に支障が生じる可能性があります。
延滞を続けると一括返還を求められるケースもあるため、返済が難しいと感じたら延滞前に猶予・減額制度を活用することが大切です。
まとめ:奨学金は種類と条件を理解して賢く活用しよう
本記事では、奨学金の種類から申し込み方法、金額と収入基準、返済方法と注意点まで幅広く解説しました。給付型と貸与型の違い、JASSO以外の民間・財団の奨学金制度、収入基準の目安、そして返済が困難になったときの猶予・減額制度まで、奨学金を利用するうえで知っておきたい情報を網羅しています。
奨学金を選ぶ際の基本的な比較ポイントをまとめると、次のとおりです。
| 種類 | 返済 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 給付型 | 不要 | 収入基準・学力基準を満たすこと |
| 貸与型(無利子) | 必要 | 学力基準・収入基準(給付型より緩め) |
| 貸与型(有利子) | 必要 | 収入基準のみ(比較的取得しやすい) |
給付型奨学金は返済不要のため、条件を満たすなら最優先で検討する価値があります。貸与型を選ぶ場合は、卒業後の返済負担をシミュレーションしたうえで月額を設定することが大切です。
奨学金の申し込みから返済まで、各ステップで押さえるべきポイントが異なります。本記事の内容を参考に、自分に合った制度を選んでください。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 奨学金には給付型と貸与型があり、返済不要の給付型は収入・学力要件を満たせば積極的に活用する価値がある
- 申し込みは在籍校を通じて行うのが基本で、スケジュールと必要書類の事前確認が合否を左右する
- 返済が苦しくなった場合は猶予・減額制度があり、延滞する前に早めに手続きをとることが重要
特に申し込みの際は、以下の点を押さえておくとスムーズです。
- スカラネットやスカラネット・パーソナルへのログイン環境を事前に用意する
- 申し込みの種類(予約採用・在学採用)に応じて奨学金の振込日やスケジュールが異なるため、早めに確認する
- 家計支持者の収入証明書など、必要書類は余裕をもって準備する
- 貸与型で毎年必要な奨学金継続願や、給付型の変更手続きもスカラネット上で行えるため、ログイン方法を把握しておくと便利
奨学金の仕組みを正しく把握することで、進学費用の不安が和らぎ、将来の返済計画も立てやすくなります。返済額のシミュレーションや減額返還・返還猶予の制度については、JASSOの公式サイトや在籍校の窓口に相談してみてください。
奨学金に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。
監修者
リサーチチーム
「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。
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