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奨学金の返済はいつから?毎月の返済額と猶予・減額制度を解説

大学院生

この記事のポイント

奨学金の返済は卒業7か月後から始まり、月々の返済額は貸与総額に応じて設定される。返済が苦しいときは減額返還制度・返還期限猶予制度で対応でき、早めの申請が信用情報を守る鍵となる。第二種奨学金は繰り上げ返還で利息の総額も節約できる。

奨学金の返済はいつから?毎月の返済額と猶予・減額制度を解説

「卒業してから奨学金の返済が始まったけど、毎月いくら払えばいいのか、返済が苦しくなったらどうすればいいのか、貯金と両立できるのか不安で仕方ない」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 奨学金返済の仕組みと毎月の返済額の目安
  • 返済が苦しいときに使える減額・猶予制度
  • 貯金と返済を両立するための具体的なコツ

奨学金の返済は、第一種・第二種の種類や返済方式の選択によって負担が大きく変わります。

返済しながら貯金を進めることは制度を正しく使えば十分に可能です。この記事を読めば、自分に合った返済方法を見つけ、無理なく返済を続けるための具体的な知識が身につきます。ぜひ最後まで読み進めてください。

奨学金返済の基本的な仕組み

日本学生支援機構(JASSO)の貸与奨学金は、卒業・修了後に月々の分割払いで返還していく仕組みです。返済が始まるタイミング、毎月の返済額、返済期間は、借りた奨学金の種類や金額によって異なります。

まず基本的な仕組みを理解することが、奨学金返済を無理なく続けるための第一歩です。

返済はいつから始まるか

奨学金の返済は、卒業・修了した翌月から数えて7か月目に始まります。3月に卒業した場合、同年の10月が最初の引き落とし月です。

在学中の奨学金の振込日(毎月11日)とは異なり、返還の口座振替は毎月27日に行われるため、指定口座の残高不足には注意が必要です。

在学中に保証制度の選択(奨学金の保証人の選定または機関保証の加入)や「返還誓約書」の提出を済ませておくことで、卒業後もスムーズに返還を開始できます。

第一種と第二種で異なる返済の仕組み

第一種奨学金と第二種奨学金では、利子の有無と返還方式の選択肢が異なります。

項目第一種奨学金第二種奨学金
利子なし(無利子)あり(有利子)
返還方式定額返還方式・所得連動返還方式から選択定額返還方式のみ
利率上限3%(市場動向により変動)

第一種奨学金は無利子のため、借りた金額をそのまま返還します。第二種奨学金は在学中は利子がかかりませんが、卒業後の返還開始時から奨学金の金利(利子)が発生します。

第二種奨学金の利率は「固定方式」と「利率見直し方式」から選択でき、上限は年3%に設定されています。借入額が大きいほど、利子が返済額に与える影響も大きくなります。

毎月の返済額の目安と計算方法

毎月の返済額は、貸与総額と返還期間をもとに算出されます。定額返還方式の場合、返還完了まで同じ金額を毎月支払い続けます。

以下は、代表的な借入パターンの返済額の目安です。

借入パターン貸与総額返還期間の目安月々の返還額の目安
第一種・月3万円・4年間約144万円約13〜15年約8,000〜9,000円
第二種・月8万円・4年間約384万円約20年約19,000〜20,000円

正確な返済額は、JASSOが提供する「奨学金貸与・返還シミュレーション」で確認可能です。返済計画を立てる際は、シミュレーションを活用して自分の奨学金返済額を把握しておきましょう。

返済期間はどれくらいかかるか

返済期間は、貸与総額の規模に応じて決まります。一般的な目安は以下のとおりです。

貸与総額おおよその返還期間
100万円未満10年以内
100〜200万円10〜15年程度
200〜300万円15〜20年程度
300万円以上20年程度

定額返還方式の最長返還期間は20年(240回払い)で、最短は2年(24回払い)です。返還期間は貸与総額に基づいて自動的に決まるため、原則として返済者が自由に選ぶことはできません。繰り上げ返還を活用することで、返済期間を短縮し利子の負担を減らすことができます。

奨学金の返済方法を選ぶ

返済方法には複数の選択肢があります。自分の収入状況やライフスタイルに合った方法を選ぶことで、奨学金の返済負担を抑えられます。

月賦返還と月賦・半年賦併用返還の違い

返済の「割賦方法」には、月賦返還と月賦・半年賦併用返還の2種類があります。

割賦方法内容向いている人
月賦返還毎月一定額を返還する毎月の支出を平準化したい人
月賦・半年賦併用返還毎月の返還に加え、1月と7月に半年分を上乗せして返還するボーナスが見込める人

月賦・半年賦併用返還を選ぶと毎月の返還額が軽くなります。ただし1月と7月に支払いが集中する点は把握しておきましょう。

定額返還方式と所得連動返還方式の違い

「返還方式」には、定額返還方式と所得連動返還方式の2種類があります。

返還方式毎月の返還額対象
定額返還方式借りた総額に基づき固定第一種・第二種どちらも選択可
所得連動返還方式前年の課税所得×9%で毎年変動(最低2,000円)主に第一種奨学金

収入が安定している場合は定額返還方式で返還計画が立てやすくなります。収入が変動しやすいフリーランスや非正規雇用の方は、所得連動返還方式を選ぶと低収入時の負担を自動的に抑えられます。

繰り上げ返還で利息を減らす方法

繰り上げ返還とは、通常のスケジュールより早く一部または全額を返還することです。第二種奨学金には利息が発生するため、繰り上げ返還によって支払い利息の総額を減らせます。

手続きはスカラネット・パーソナルから行い、申込期間は希望月の前月中旬から当月中旬までです。ボーナスや貯金に余裕が出たタイミングで積極的に活用しましょう。

  • 手続き:スカラネット・パーソナルにログインして「繰上返還の申込」を選択
  • 申込期間:希望月の前月中旬〜当月中旬
  • メリット:第二種奨学金の利息総額を削減できる

スカラネット・パーソナルで返済状況を確認する方法

スカラネット・パーソナルは、JASSO(日本学生支援機構)が提供するオンラインシステムです。返還残高・返還残回数・現在の請求額などを一括で確認可能です。

確認手順は以下のとおりです。

  1. スカラネット・パーソナルにログイン
  2. メニューから「返還情報の照会」を選択
  3. 確認したい項目(返還残額・返還残回数など)を選ぶ

返還方式の変更や繰り上げ返還の申込、在学中の奨学金継続願の提出も同システムで手続きができます。定期的にログインして返済の進捗を把握する習慣をつけると、奨学金返済の管理がしやすくなります。

返済が苦しいときに使える制度

奨学金の返済が毎月の家計を圧迫しているときは、日本学生支援機構(JASSO)が用意する支援制度を活用するのが有効です。苦しいまま放置して滞納に陥るよりも、早めに申請することで信用情報を守りながら無理なく返済を続けられます。

減額返還制度の条件と申請方法

減額返還制度は、経済的な理由から毎月の返還額を減らし、その分だけ返済期間を延長できる制度です。減額の幅は4段階から選択できます。

減額の選択肢月々の返済額
3分の2に減額通常の67%
2分の1に減額通常の50%
3分の1に減額通常の33%
4分の1に減額通常の25%

2026年時点の利用条件は以下のとおりです。

  • 年間収入が400万円以下(年間所得300万円以下)
  • 扶養する子どもが2人いる場合は年収500万円以下
  • 扶養する子どもが3人以上いる場合は年収600万円以下

申請はスカラネット・パーソナルからオンラインで行えます。インターネットを利用できない場合は、願出用紙と必要書類を郵送して申請する方法も使えます。

返還期限猶予制度を利用する方法

返還期限猶予制度は、経済困難・傷病・災害などの理由で返還が困難なときに、一定期間返済を待ってもらえる制度です。経済困難を理由とした猶予の場合、年収の目安は300万円以下(給与所得者)が基準となります。

猶予期間は通算10年(120か月)が上限です。災害・傷病・生活保護受給中・育児休業中などの場合は、10年の上限が適用されません。

申請はスカラネット・パーソナルから行い、審査に通れば猶予が認められます。

返還が苦しくなったと感じた時点で早めに申請するのが重要なポイントです。猶予中も奨学金の延滞にはならないため、信用情報に影響が出ません。

大学院進学・留学中の在学猶予制度

大学院への進学や海外留学で在学している期間は、在学猶予を利用して返済を止めることができます。在学猶予の適用期間も通算10年(120か月)が上限となっています。

手続きはスカラネット・パーソナルから「在学猶予願」を提出するだけです。在学している学校の承認を経て猶予が適用されます。

在学猶予と返還期限猶予は別にカウントされるため、両方の制度を利用しても合計20年まで対応できます。大学院進学後にライフイベントが重なった場合でも、柔軟に対処できる余地があります。

滞納するとどうなるか

返済を滞納した場合のリスクを把握しておくことも大切です。滞納が続くと以下のような影響が出ます。

  • 滞納2回目以降から年率3%の延滞金が加算される
  • 返還開始から6か月を超えて3か月以上滞納すると、個人信用情報機関(全国銀行個人信用情報センター)に延滞情報が登録される
  • 信用情報に傷がつくと、クレジットカードの新規発行・住宅ローン・車のローン審査などに影響が出る
  • 延滞情報は返還完了から5年間記録に残る

滞納3か月に達する前に減額返還制度か返還期限猶予制度を申請すれば、信用情報への登録は回避できます。奨学金の返済が苦しいと感じたら、まずスカラネット・パーソナルにアクセスして制度の申請を検討してみてください。

奨学金を賢く返済するためのポイント

奨学金の返済をただ毎月続けるだけでなく、制度を活用しながら計画的に取り組むことで、総返済額を抑えたり生活の余裕を生み出したりできます。ここでは、返済をより賢く進めるための4つのポイントを紹介します。

返済シミュレーションで計画を立てる

返済を始める前に、JASSOの「奨学金貸与・返還シミュレーション」を使って全体像を把握しておきましょう。毎月の返済額・総返済額・返済完了時期を無料で確認可能です。

シミュレーションで確認しておきたい主なポイントは以下のとおりです。

  • 毎月の返済額と返済期間
  • 第二種の場合は利息の総額
  • 繰り上げ返還した場合の節約額

第二種奨学金は利息が発生するため、早期完済でどれだけ節約できるかを事前に試算しておくことをおすすめします。返済シミュレーションの結果を手元に置いておくと、繰り上げ返還のタイミングを判断しやすくなります。

貯金と返済を両立するコツ

返済と貯金を同時に進めることは可能です。収入から返済額を先に差し引いた残りで生活費と貯金を設計する「先取り貯金」の考え方が有効です。

月収の目安奨学金返済額の目安残り可処分所得
20万円1.5万円18.5万円
25万円2万円23万円
30万円2.5万円27.5万円

貯金と返済を両立するための具体的なコツは以下のとおりです。

  • 毎月の収入が安定したら自動引き落としで返済日に合わせて管理する
  • ボーナスが出たタイミングで第二種の繰り上げ返還を検討する
  • 生活費の見直しで月3,000〜5,000円の余裕を作り、積み立てに回す

第一種奨学金は無利子のため、急いで完済するよりも余剰資金を積み立てに充てるほうが合理的なケースもあります。

企業の奨学金返済支援制度を活用する

2021年4月から、JASSOが企業による「奨学金返還支援(代理返還)制度」を正式に開始しました。企業が従業員の奨学金返済額を直接JASSOに送金する仕組みで、2026年時点では全国約2,500社以上が導入しています。

この制度の主なメリットは以下のとおりです。

  • 支援金は社員への給与と区別されるため、原則として所得税の課税対象外
  • 月々の手取りを減らさずに奨学金の返済を進められる
  • 転職・就職活動の際に企業選びの基準の一つにできる

就職先を選ぶ際や転職活動の際には、求人情報や福利厚生欄で「奨学金返還支援」の記載を確認することをおすすめします。

返済支援のある給付型奨学金を見落とす

在学中に給付型奨学金と貸与型奨学金を併用していた場合、卒業後に両方の利用状況を整理することで、返済が必要な金額を正確に把握できます。

また、キーエンス奨学金のように民間の財団が提供する返済不要の給付型奨学金を在学中に受給していれば、将来の返済負担を大きく軽減できます。

給付型奨学金と返済状況を見直す際のチェックリストは以下のとおりです。

  • 自分が受給した奨学金の種類(給付型・貸与型)を整理する
  • 貸与型の残高と残返済期間をスカラネット・パーソナルで確認する
  • 勤務先や居住地で使える地域型の返済支援がないか調べる

まとめ:奨学金の返済は制度を正しく使えば無理なく続けられる

奨学金の返済は、卒業後6〜7ヶ月後に始まり、第一種と第二種で返済額や利息の仕組みが異なります。月々の返済額はスカラネット・パーソナルで確認でき、返済シミュレーションを活用することで無理のない計画が立てやすくなります。

本記事では、以下の4つのテーマを解説しました。

  • 奨学金返済の基本的な仕組みと開始時期
  • 月賦返還・所得連動返還方式など返済方法の選び方
  • 返済が苦しいときに使える減額返還・返還期限猶予制度
  • 繰り上げ返還や企業の返済支援制度を活用した賢い返済戦略

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 返済が苦しいときは減額返還制度や返還期限猶予制度を活用することで、滞納を防ぎながら返済を継続できる
  • 月賦返還と所得連動返還方式の特徴を理解し、自分の収入状況に合った返済方法を選ぶことが重要
  • 企業の奨学金返済支援制度や繰り上げ返還を上手に組み合わせると、総返済額を抑えながら早期完済も目指せる

奨学金の返済期間は最長20年にわたることもあり、長期にわたる計画が求められます。日本学生支援機構(JASSO)が用意する各種制度を正しく理解すれば、収入の変化やライフイベントに合わせた柔軟な対応が可能です。

返済が苦しくなったタイミングで制度を調べ始める方も多いですが、早めに状況を把握しておくことが大切です。余裕のあるうちから返済シミュレーションを行い、自分に合った返済方法を選んでおきましょう。

繰り上げ返還や所得連動返還方式への切り替えなど、選択肢は複数あります。奨学金の返済額や返済状況をスカラネット・パーソナルで定期的に確認し、必要に応じて制度を活用することが長期完済の鍵です。

奨学金の返済がきつい、または返済額を確認したいという方も、まずは制度の全体像を把握することから始めましょう。一括返済を検討している方は、繰り上げ返還の利息節約効果もあわせて確認することをおすすめします。

奨学金の返済に不安を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。専門スタッフが返済計画の立て方から制度の活用方法まで丁寧にサポートします。

奨学金返済に関するよくある質問

参考文献

  1. 奨学金返還者の方へ | JASSO
  2. 月々の返還額を少なくする(減額返還制度) | JASSO
  3. 奨学金貸与・返還シミュレーション | JASSO

執筆者

Daigakukan Renkei 編集部
Daigakukan Renkei 編集部

編集部

大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。

監修者

Daigakukan Renkei リサーチチーム
Daigakukan Renkei リサーチチーム

リサーチチーム

「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。

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