論文は英語で何という?paperとthesisの違いから書き方を解説
この記事のポイント
論文は英語で一般的にpaperやarticleと表し、thesisやdissertationは学位論文を指します。英語論文はパラグラフライティングで構成され、Google ScholarやPubMedで探せます。翻訳ツールや英文校正サービスを使えば、英語が苦手でも読み書きに対応できます。
「『論文』を英語で何と言うのかわからず、paperやthesisの使い分けにも迷う。英語論文の読み書きにも苦手意識があり、効率よく理解して発信できるようになりたい…」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
本記事の内容
- 論文を表す英語(paper・article・thesis・dissertation)の使い分け
- 英語論文と日本語論文の違いと探し方・読み方
- 英語で論文を書くときのポイント
論文を表す英語は用途によって使い分け、一般的な学術論文はpaperやarticleで表します。
用語の違いから読み書きのコツまで押さえれば、英語論文への苦手意識を減らせます。ここから論文の英語について順番に解説します。
論文は英語で何というか基本の表現
論文を英語で言うと、文脈によってthesis・dissertation・paper・articleと訳語が変わります。どれも日本語では「論文」とまとめられますが、Google Scholarなどのデータベースを利用する際にも、英語では学位の段階や公開形態によって使い分けるのが基本です。
| 語 | 主な意味 | 主な使用場面 |
|---|---|---|
| thesis | 学位取得のために提出する論文 | 修士課程・博士課程の修了論文 |
| dissertation | 学位取得のための長編の研究論文 | 博士課程または学士・修士の修了論文 |
| paper | 研究をまとめた文書全般 | 学会・授業・投稿原稿など広く |
| article | 学術誌に掲載される論文 | 査読付きジャーナル掲載記事 |
thesisの意味と使い方
thesisは、学位取得のために提出する論文を指す語です。発音は「シーシス」に近く、複数形はtheses(シーシーズ)と不規則に変化します。
米国式の教育体系では、thesisは修士論文を指すのが一般的です。一方で英国式の体系では、thesisが博士課程(PhD)の最終論文を指す傾向にあります。
論文を英語で表現する際は、相手の国や大学がどちらの体系かを意識すると誤解を避けられます。提出物の正式名称は、所属機関の規定で確認しておくのが確実です。
dissertationとの違い
dissertationは、学位取得のために書く長編の研究論文という点でthesisと近い語です。ただし、どちらの段階を指すかが国によって逆転します。
米国式ではdissertationが博士課程(doctoral degree)の修了論文を指し、英国式では学士や修士課程の論文を指すことが多いです。両者の対応関係を整理すると、次のようになります。
なお、大学や学部によって用法が異なる場合もあり、両語は実務上ほぼ同義として扱われることもあります。正式な提出物では、所属機関の規定で示された呼称に従うのが安全です。
paperとarticleの使い分け
paperとarticleは、学位論文ではなく研究成果をまとめた文書を指す語です。両者は重なる部分もありますが、ニュアンスに違いがあります。
paperは研究をまとめた文書全般を広く指し、学会発表用のconference paperや授業の課題まで含む包括的な語です。これに対してarticleは、査読を経て学術誌(journal)に掲載される論文を指すことが多くなります。
| 語 | 意味の範囲 | 典型例 |
|---|---|---|
| paper | 広い(未公開も含む) | conference paper、term paper、投稿原稿 |
| article | 狭い(主に掲載済み) | journal article、review article |
ジャーナルに載った論文をresearch articleと呼び、投稿前の原稿をpaperと呼ぶ、といった使い分けが一例です。日常の研究会話ではpaperが万能に使われ、掲載や公開を強調したいときにarticleを選ぶと自然な英語になります。
英語論文と日本語論文の違い
論文を英語で書くときは、日本語の作法をそのまま当てはめてもうまくいきません。英語での論文書き方における構成のルール、レポートとの距離感、英語ならではのメリットと壁を順に整理します。
構成と表現の特徴
英語の学術論文は、IMRAD(Introduction、Methods、Results、And、Discussionの頭文字)と呼ばれる定型構成を取ることが多いです。序論で問いを示し、方法、結果、考察へと進む流れが標準形で、読み手はどこに何が書かれているかを予測できます。
表現面で最も差が出るのがパラグラフライティングです。日本語の「段落」とは別物で、各パラグラフの先頭にそのパラグラフの主題を述べるトピックセンテンスを置き、続く文で根拠や具体を補います。
論文を英語で読みやすくしている要因は、この一文目で要点を予告する型にあります。読み手は何が書かれるかを先に把握できるため、内容を追いやすくなる仕組みです。
| 観点 | 英語論文 | 日本語論文 |
|---|---|---|
| 全体構成 | IMRADなど定型が浸透 | 起承転結など型が緩いことも多い |
| 段落の単位 | トピックセンテンス起点のパラグラフ | 意味のまとまりとしての段落 |
| 要点の位置 | 段落・文の冒頭で先出し | 末尾に置かれることがある |
| 読み手への配慮 | 予測しながら読める構造 | 文脈をたどって理解する構造 |
レポートとの違い
論文とレポートは「序論・本論・結論」という外形こそ似ていますが、目的が根本から異なります。レポートは与えられたテーマを調べてまとめる「報告」が中心で、論文は自ら問いを立てて新しい発見やオリジナリティを示す点に本質があります。
英語圏でも、事実をまとめるreportや自分の主張を論じるessayと、査読を経て公表されるacademic paperは区別されます。小論文英語書き方やレポートとの違いを以下に整理しました。
- レポート(report):与えられた課題を客観的事実に基づいて整理し、報告することが目的
- 小論文書き方(essay):テーマに対する自分の意見や主張を論理的に述べる
- 論文(academic paper):自ら問いを設定し、データと論証で新規性を示し、第三者の検証に耐える
つまり「新しい発見があるか」がレポートと論文を分ける決定的な境目で、英語で書く場合もこの原則は変わりません。
英語で書くメリットと難しさ
英語で論文を書く最大のメリットは、読者が世界中に広がることです。グローバル水準の査読を受けて研究を磨けるほか、共同研究者と出会う機会や、研究者としての評価が高まる利点もあります。
一方で難しさもはっきりしています。内容が優れていても英文が不明瞭だと意図が伝わらず、リジェクト(不採択)につながりやすい点が、英語を母語としない書き手の壁です。
投稿プロセスや編集者とのやり取りも英語で進むため、表現面の負荷は小さくありません。論文を英語で仕上げる際は、早めに準備を整えておくと安心できます。
英語論文の探し方と読み方
英語が苦手でも、適切なサイトとツールを組み合わせれば英語論文は十分に活用できます。ここでは無料で使える検索サイト、効率的な読み進め方、そして翻訳ツールの選び方を順に紹介します。
英語論文を探せるサイト
英語の論文を探すなら、まずは分野を問わず横断検索できる無料サイトから始めるのが効率的です。Google Scholarで全体像をつかみ、専門分野が決まったら分野特化型のデータベースへ移ると、目的の論文へ素早くたどり着けます。
| サイト名 | 主な分野 | 特徴 |
|---|---|---|
| Google Scholar | 全分野 | 学術文献を横断検索。引用数や関連論文をたどりやすい |
| PubMed | 医学・生命科学 | 米国国立医学図書館が運営。3,000万件以上の文献を収録 |
| arXiv | 物理・数学・情報科学 | 査読前のプレプリントを公開。最新研究を先取りできる |
| Semantic Scholar | 全分野 | AIが関連性の高い論文を提示。つながりを発見しやすい |
| J-STAGE | 全分野 | JST運営。日本発の論文が中心で9割以上が無料で読める |
多くのサイトでは論文 英語のPDFを直接ダウンロードできます。有料論文に当たったときは、Google Scholarの右側に表示される無料版へのリンクや、所属大学の図書館経由のアクセスを確認してみてください。
英語論文を効率的に読むコツ
英語論文の多くはIMRAD(Introduction・Methods・Results・Discussion)という共通の構成で書かれています。この型を理解しておくと、どこに何が書いてあるか予測でき、最初から逐語訳する必要がなくなります。
効率的に読むには、次の順番で進めるのがおすすめです。
- Abstract(抄録)を読み、研究の目的・方法・結果・結論の全体像をつかむ
- Introduction(序論)で研究の背景と「何を明らかにしたいか」を確認する
- Figures(図)とTables(表)に目を通し、データの要点を視覚的に把握する
- Discussion(考察)で結果の解釈を読み、自分の関心に合うか判断する
- 必要だと感じた論文だけ、Methods(方法)を含めて精読する
すべての論文を頭から最後まで読む必要はありません。AbstractとDiscussionだけで内容を絞り込み、本当に重要な論文に時間をかける読み方が、英語が苦手な人ほど効果を発揮します。
翻訳ツールを活用する
英語の読解に不安があるなら、翻訳ツールを併用して負担を減らしましょう。論文 英語のPDFはレイアウトが複雑なため、図表や段組みを崩さずに訳せるツールを選ぶのがポイントです。
| ツール名 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| DeepL | 無料・有料 | 自然で精度の高い訳文。PDFアップロード翻訳に対応 |
| Google翻訳 | 無料 | 100言語以上に対応。手軽だが専門用語は不自然なことも |
| Readable | 月額980円ほか | PDFのレイアウトを保ち、原文と訳文を見開きで表示 |
まずは無料のDeepLやGoogle翻訳で試し、図表の多い論文を頻繁に読むならReadableのような専用ツールを検討する流れが現実的です。翻訳はあくまで理解の補助と捉え、重要な箇所は原文と照らし合わせて確認すると、誤訳に惑わされず正確に読み解けます。
英語論文を書くときのポイント
論文を英語で書く際は、日本語とは異なる論理の組み立て方を意識する必要があります。パラグラフの構成、英語らしい論理展開、そして仕上げの校正という3つを押さえると、読み手に伝わる英文に近づきます。
パラグラフライティングの基本
英語の学術論文では、1つのパラグラフに1つのアイデアだけを盛り込む「ワンパラグラフ・ワンアイデア」が基本ルールです。複数の主張を1段落に詰め込むと論点がぼやけるため、伝えたい内容ごとに段落を分けます。
各パラグラフは次の3要素で構成すると整理しやすくなります。
- トピックセンテンス:その段落で言いたいことを最初の1文で宣言する文
- サポーティングセンテンス:学術的な引用書き方に基づき、根拠やデータで主張を裏づける文
- コンクルーディングセンテンス:主張を別の表現で締めくくる文
トピックセンテンスを段落の冒頭に置き、結論を先に示してから根拠を続けるのが英語論文の型です。読み手は最初の1文で段落の内容を予測できるため、論文を英語で読み進めやすくなります。
英語らしい論理構成を作る
英語の文章は結論から述べ、その後に理由や詳細を展開する演繹的な流れを好みます。日本語のように背景を積み重ねて最後に結論へ至る書き方は、英語では回りくどく感じられることがあります。
段落どうしのつながりを明確にするには、論理関係を示すつなぎ言葉(transition words)を活用します。逆接ならhoweverやnevertheless、追加ならfurthermoreやin addition、結論ならthereforeやin conclusionといった表現が、文と文の関係を読み手に伝えてくれます。
研究論文を英語で書くときは、こうした接続表現で論理の道筋を可視化することが大切です。読み手が迷わず筋を追える文章は、それだけで説得力を増します。
英文校正サービスを活用する
書き上げた学術論文は、提出前に英文校正サービスでチェックすると安心です。母語話者でない著者が見落としがちな冠詞や時制、語法の誤りを専門家が補ってくれます。
サービスには段階や範囲の違いがあり、用途に応じて選びます。
| サービス種別 | 主なチェック内容 |
|---|---|
| プルーフリーディング | スペル・文法・冠詞・時制・句読点など最終段階の表面的な誤り |
| 英文校正(エディティング) | 上記に加え、語彙選択や表現の自然さなど幅広い修正 |
| ネイティブチェック | 母語話者が構文・専門用語の使い方まで精査 |
初稿の論理が固まる前は英文校正、提出直前の仕上げにはプルーフリーディングというように、執筆段階に合わせて使い分けると効果的です。論文を英語で公表する場面では、こうした第三者の確認が完成度を底上げしてくれます。
まとめ:論文の英語はpaperが基本で用途により使い分ける
本記事では、論文を表す英語表現、英語論文と日本語論文の違い、探し方と読み方、書くときのポイントを解説しました。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 論文の英語はpaperやarticleが基本でthesisやdissertationは学位論文を指す
- 英語論文はパラグラフライティングで構成され読み方にもコツがある
- 翻訳ツールや英文校正サービスを使えば英語が苦手でも対応できる
用語と読み書きの基本を押さえることで、英語論文を効率よく理解し、研究成果を英語で発信しやすくなります。まずは身近な英語論文を一本読み通すところから始めてみましょう。
英語論文の読み書きや研究のサポートについてご相談があれば、お問い合わせや資料請求からお気軽にどうぞ。
論文の英語に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。
監修者
リサーチチーム
「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。
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