引用の書き方を徹底解説・直接引用と間接引用や出典の示し方
この記事のポイント
引用の書き方は、明瞭区別性や主従関係など正当な引用の要件を満たすことが前提です。原文どおり示す直接引用と、要約して示す間接引用を使い分けます。書籍・論文・Webサイトなど出典別にルールがあり、文末の参考文献リストとAPAやMLAなどのスタイルを統一します。
「引用の書き方がわからず、直接引用と間接引用の違いや出典の示し方に自信がない。剽窃と判断されずに、レポートや論文で正しく引用できるようになりたい…」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
本記事の内容
- 引用の基本ルールと引用が認められる要件
- 直接引用・間接引用など引用の書き方の種類
- 出典別の書き方と参考文献リストの作り方
引用の書き方は、明瞭区別性や主従関係などのルールを守れば、レポートでも論文でも正しく示せます。
ルールを一度身につければ、今後の執筆で迷わず引用できます。ここから引用の書き方を具体的に解説します。
引用とは何か基本のルール
引用とは、他の人が書いた文章やデータをそのまま自分のレポートや論文に取り入れ、出典を示して用いることです。引用 書き方の前提として、Google Scholarなどで文献を収集する際にも、引用は著作権法第32条で認められた正当な行為であり、自分の意見と他人の意見を明確に区別するための仕組みでもあります。
引用と参考文献の違い
引用と参考文献は混同されやすいものの、役割が異なります。引用は本文中で他人の文章をそのまま使うこと、参考文献は資料を参考にしたうえで末尾にまとめて示す出典情報のことです。
| 項目 | 引用 | 参考文献 |
|---|---|---|
| 意味 | 他人の文章やデータを本文にそのまま取り入れる | 執筆の手がかりにした資料を示す |
| 記載場所 | 本文中(カギ括弧やインデントで明示) | レポートや論文の末尾にまとめて記載 |
| 本文への使用 | 内容を直接使う | 直接は使わず参考にとどめる |
| 出典の示し方 | 引用箇所ごとに出所を明示 | 著者名や書名などを一覧で記載 |
両者は対立する概念ではなく、引用した文献は参考文献としても末尾に並べます。文献検索などで見つけた資料を読んだだけで本文に取り入れない場合は引用ではなく参考と呼び、参考文献として扱うのが基本です。
引用が認められる5つの要件
引用 書き方で最も重要なのが、適法な引用と認められるための要件です。著作権法第32条と判例をもとに整理すると、次の5点を満たす必要があります。
- 明瞭区別性。カギ括弧やインデント、引用符などで、引用部分と自分の文章を一目で区別できるようにします。
- 主従関係。自分の文章が主、引用部分が従となる関係が、量・質の両面で保たれていること。
- 出所の明示。著者名や書名、ページ、Webページならアドレスなど、出典をはっきり示します。
- 必然性と正当な範囲。報道や批評、研究といった目的に照らし、引用する必要性があり、範囲が目的上正当であること。
- 改変の禁止。引用部分は原文のまま用い、勝手に書き換えたり要約してそのまま引用扱いにしたりしないこと。
これらは一つでも欠けると適法な引用と認められない場合があります。レポートや小論文書き方では特に明瞭区別性と出所明示を意識すると安心です。
引用と剽窃の違い
同じく他人の文章を使う行為でも、引用と剽窃はまったく異なります。両者を分けるのは、出典を示しているかどうかという一点です。
| 観点 | 引用 | 剽窃 |
|---|---|---|
| 出典の明示 | あり | なし |
| 自他の区別 | カギ括弧などで明確 | 自分の文章のように見せる |
| 評価 | 著作権法で認められた正当な行為 | 不正行為で著作権侵害にあたる |
剽窃とは、他人の文章やアイデアを出典を示さずに自分のものとして使うことです。同じコピーでも、ルールに沿って出所を示せば引用、隠して自分の成果と見せれば剽窃となり、大学では成績無効など重い処分の対象になります。
引用の書き方の種類
引用の書き方は、原文をそのまま使うか、自分の言葉に置き換えるか、長さがどれくらいかで使い分けます。ここでは直接引用、間接引用、ブロック引用という3つの引用の書き方を整理し、それぞれの違いを次の表にまとめました。
| 種類 | 主な用途 | 原文の扱い | 表記の特徴 |
|---|---|---|---|
| 直接引用 | 短い文を抜き出す | 一字一句そのまま | カギ括弧「」で囲む |
| 間接引用 | 要点だけ伝える | 自分の言葉に要約 | カギ括弧で囲まない |
| ブロック引用 | 長い文をまとめて示す | そのまま改変なし | 前後を空けて字下げ |
直接引用の書き方
直接引用は、原文を一字一句変えずに抜き出し、引用部分をカギ括弧「」で囲む書き方です。短い文を文中に取り込みたいときに向いています。
直接引用の書き方の手順は次のとおりです。
- 引用したい一文や語句を、原文のまま正確に書き写す
- その部分をカギ括弧「」で囲んで、自分の文章と区別する
- 出典(著者名・書名・ページなど)を添えて、どこから引いたか示す
原文に含まれるカギ括弧「」は、二重カギ括弧『』に置き換えます。誤字や独特の表記も勝手に直さず、そのまま書き写すのが直接引用のルールです。
間接引用の書き方
間接引用は、原文の内容を自分の言葉で要約したり言い換えたりして示す書き方です。長い主張の要点だけを短く伝えたいときに使います。
間接引用ではカギ括弧「」で囲まず、地の文の中に自然になじませます。ただし要約の過程で著者の本来の主張をゆがめないよう注意が必要です。
自分の意見と引用元の内容が混ざらないよう書き分けつつ、論文書き方における間接引用でも出典を示す点は直接引用と変わりません。
ブロック引用の書き方
ブロック引用は、長い文章をまとめて引用するときに使う書き方です。原文を改変しない点は直接引用と同じですが、カギ括弧は使わず、レイアウトで引用部分を見せます。
ブロック引用の書き方のポイントは以下のとおりです。
- 引用部分の前後に1行ずつ空白行を入れて、本文と切り離す
- 引用文の行頭を本文より2文字分内側に字下げする
- ブロック引用ではカギ括弧「」を付けない
- 引用の後に出典を明記する
数行以上にわたる長い引用や、文章のまとまりをそのまま見見せたいときにブロック引用が適しています。スライド作り方を考える際などの引用 書き方の基本として、短い原文は直接引用、要点だけなら間接引用、長文はブロック引用と覚えておくと使い分けに迷いません。
出典別の引用の書き方
引用の書き方は、出典が書籍か論文かWebサイトかで記載する項目が変わります。ここでは出典の種類ごとに、論文引用書き方のルールに基づく文中での示し方と文末の参考文献リストでの書き方を整理して紹介します。
書籍を引用する場合
書籍を引用するときは、文中で著者の姓と発行年を示し、文末の参考文献リストに書誌情報をまとめます。文中の表記は「鈴木(2015)は…と述べています」のように著者名と発行年で示し、特定箇所を引くときは「(鈴木, 2015, p.28)」のようにページも添えます。
参考文献リストでは、書名を二重カギ括弧『』で囲み、次の項目を順に並べる書き方が基本です。
| 記載する項目 | 記載例 |
|---|---|
| 著者名 | 鈴木一郎 |
| 発行年(西暦) | (2015) |
| 書名(『』で囲む) | 『大学生のための文章術』 |
| 出版社 | 〇〇出版 |
| 引用ページ | p.28 |
これらをまとめると「鈴木一郎(2015)『大学生のための文章術』〇〇出版, p.28」という形になります。著者が複数のときは姓名を並べ、編者の場合は名前の後に(編)を付けます。
論文を引用する場合
学会発表用の論文などを引用する場合は、書籍と同じく文中で著者名と発行年を示しますが、文末では雑誌名や巻号を加える点が異なります。文中の表記は「佐藤(2010)によると…」のように示し、引用箇所がはっきりしているときはページ番号も併記します。
参考文献リストでは、論文名と掲載誌(雑誌名)を区別して書くのが特徴です。記載する項目は以下のとおり。
| 記載する項目 | 記載例 |
|---|---|
| 著者名 | 佐藤花子 |
| 発行年(西暦) | (2010) |
| 論文名 | 引用表記に関する一考察 |
| 雑誌名 | 『日本文章学会誌』 |
| 巻号 | 29(8) |
| 掲載ページ | pp.24-42 |
これらを並べると「佐藤花子(2010)「引用表記に関する一考察」『日本文章学会誌』29(8), pp.24-42」という書き方になります。巻ごとに通しページがある雑誌では号を省略し、号ごとにページが振られる場合は「巻(号)」の形で号数を補います。
Webサイトを引用する場合
Webサイトを引用するときは、内容が更新・削除される可能性があるため、URLと閲覧日を必ず記録することが書籍や論文との大きな違いです。文中では著者名(運営団体名)と公開年で示し、著者名が不明な場合はページ名やサイト名で代用します。
参考文献リストでは、次の項目を記載するのが一般的な書き方です。
| 記載する項目 | 記載例 |
|---|---|
| 著者名(運営者・団体名) | 文部科学省 |
| ページ名 | 高等教育の修学支援について |
| Webサイト名 | 文部科学省ウェブサイト |
| 公開年(分かる場合) | (2024) |
| URL(半角) | https://www.example.go.jp/page |
| 閲覧日 | (参照 2026-06-11) |
まとめると「文部科学省『高等教育の修学支援について』文部科学省ウェブサイト, https://www.example.go.jp/page (参照 2026-06-11)」のように書きます。閲覧日を入れておくと、後でページが変わっても引用時点の内容を示せます。
参考文献リストの書き方と注意点
引用 書き方の仕上げとして欠かせないのが、文末の参考文献リストと出典の示し方です。ここでは、リストの作り方、引用するときの注意点、そして分野ごとに異なる引用スタイルの違いを順に整理します。
文末の参考文献リストの作り方
参考文献リストは、本文で引用したすべての出典を文末にまとめて一覧化したものです。並べ方には大きく2通りあり、博士論文や学術論文において、人文・社会科学系では著者名のアルファベット順(日本語文献は五十音順)、理工系では本文に登場した出現順に番号を振る方式が一般的とされています。
同じ著者の文献が複数あるときは、発表年の古い順に並べます。同一著者で発行年も同じ場合は、年のうしろに「2024a」「2024b」のようにアルファベットを添えて区別する書き方が用いられます。
各文献の記載項目は、書籍なら著者名・書名・出版社・発行年、論文なら著者名・論文名・掲載誌名・巻号・ページ・発行年が基本です。Webサイトを参照したときは、サイト名・URLに加え、閲覧した日付を併記します。
引用するときの注意点
引用の正確さは、レポートや論文の信頼性に直結します。著作権法上のルールと学術的なマナーの両面から、最低限おさえておきたい点を挙げます。
- 引用部分は原文のまま示し、勝手に改変しないこと。句読点や表記の細部まで原文に従うのが原則です
- 自分の主張が主、引用が従という主従関係を保つこと。引用が分量や論旨の中心になってはいけません
- どこからどこまでが引用かを、かぎ括弧やブロック引用などで明確に区別すること
- 出典を必ず明示すること。著者名・書名・発行年やURLなど、読者が原典をたどれる情報を示します
- 孫引きを避けること。文献Bが引用していた文献Aを使うときは、可能な限りA本体にあたって確認します
引用スタイルの違い
引用スタイルとは、出典の書き方を定めた様式の総称で、専門分野ごとに採用されるものが異なります。代表的なスタイルの特徴を以下の表にまとめました。
| スタイル名 | 主な分野 | 特徴 |
|---|---|---|
| APA | 心理学・教育・社会科学 | 著者名と発行年を本文中に示す。最新の研究年を重視する形式です |
| MLA | 文学・語学・人文学 | 著者名とページ番号を本文中に示す。原典の箇所を厳密にたどれます |
| シカゴ(Chicago) | 歴史・学際分野 | 脚注と文献目録を組み合わせる方式と、著者年方式の2系統を持ちます |
| SIST02 | 日本の科学技術全般 | 日本語文献に対応した国内標準。理工系の番号順表記と相性が良いです |
どのスタイルを使うかは、提出先の指定や所属分野の慣例で決まります。途中でスタイルを混在させると読み手が混乱するため、一つの文書では同じ様式を最後まで統一することが大切です。
まとめ:引用の書き方はルールを守れば難しくない
本記事では、引用の基本ルール、引用の書き方の種類、出典別の書き方、参考文献リストと注意点を解説しました。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 引用は明瞭区別性や主従関係などの要件を満たすことが前提
- 直接引用と間接引用を使い分け出典を正しく示す
- 出典の種類に応じて参考文献リストを整え引用スタイルを統一する
ルールと書き方を押さえることで、剽窃を避けながら他者の文献を活用し、レポートや論文の説得力を高められます。提出前には出典の記載漏れがないか必ず見直しましょう。
レポート作成や研究のサポートについてご相談があれば、お問い合わせや資料請求からお気軽にどうぞ。
引用の書き方に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。
監修者
リサーチチーム
「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。
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