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論文の書き方を構成と手順でわかりやすく解説・例文集も紹介

研究室

この記事のポイント

論文の書き方は、序論・本論・結論やIMRADの基本構成を先に固め、テーマ決め・文献調査・構成案・執筆・推敲の手順で進めるのが基本です。引用は出典を明記して参考文献にまとめ、話し言葉などのNGワードを避けることで評価される論文に仕上がります。

論文の書き方を構成と手順でわかりやすく解説・例文集も紹介

「論文をどう書き始めればよいかわからず、構成や手順、引用のルールにも自信が持てません。提出期限が迫っているので、評価される型に沿った書き方を今すぐ知りたいです」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 論文の書き方を支える基本構成
  • テーマ決めから推敲までの手順
  • 引用や文章作法で守るべきルール

論文の書き方は、序論・本論・結論やIMRADという基本構成を先に固め、決まった手順どおりに書き進めるのが近道です。型さえつかめば、何から手をつけるか迷う時間を大きく減らせます。

本記事を読めば、説得力があり教員や査読者に評価される論文へ仕上げるコツまでわかります。締め切り前の不安を解消するために、最後まで読み進めてください。

論文の書き方を支える基本構成

論文の書き方で最初に押さえるべきは、全体を支える基本構成です。型を理解すれば、Google Scholarなどの検索エンジンで先行文献を探す際にも各セクションに何を書くべきかが整理され、書き始めの迷いが大きく減ります。

ここでは序論・本論・結論の役割、IMRAD形式、全体の流れのつかみ方、論文とレポートの違いを順に解説します。

序論・本論・結論それぞれの役割

論文の最も基本となる型が、序論・本論・結論の三部構成です。この三つの役割を理解しておくと、論理の流れが明確になり、読み手にとってわかりやすい論文になります。

各部分の役割は次のとおりです。

  • 序論:テーマと問題意識を示し、議論の筋道を読者に予告するパート
  • 本論:研究や調査の具体的な内容を展開し、主張を根拠とともに示すパート
  • 結論:序論で立てた問いに対する答えを総括し、論文全体を締めくくるパート

序論で立てた問いに、本論で証拠を積み上げ、結論で答える。この一貫した流れがあると、読み手は安心して読み進められます。

短いレポートでも長い卒論でも、この三部構成は共通の土台になります。

IMRAD形式に沿った構成

研究論文(論文英語で執筆されるものを含む)、とくに理系や医学系では、IMRAD形式という型が標準として使われます。IMRAD形式とは、Introduction(序論)、Methods(方法)、Results(結果)、Discussion(考察)の頭文字を取った構成です。

複雑な研究内容でも読みやすく整理できる点が、この形式が広く採用されている理由です。各セクションの役割を整理すると、次の表のようになります。

セクション日本語書く内容
Introduction序論研究背景、先行研究、目的、仮説
Methods方法研究デザイン、手法、データ分析方法
Results結果収集したデータと分析結果
Discussion考察結果の解釈、意義、限界、今後の課題

ここで重要なのは、結果と考察を分けることです。Resultsには意見を交えず客観的な事実だけを書き、解釈や評価はDiscussionに回します。

三部構成の本論を、方法・結果・考察の三つに細分化したものがIMRAD形式と考えると理解しやすいです。

全体の流れをつかむ準備

論文を書き始める前に、全体の流れをつかむ準備としてアウトラインを作ると、執筆がぐっと楽になります。アウトラインとは、各セクションに何を書くか、どの順番で並べるかを整理した設計図です。

アウトラインを先に作るメリットは次のとおりです。

  1. 論理の弱い部分や情報が足りない箇所が早い段階で見える
  2. 全体の一貫性を保ちながら書き進められる
  3. どこから書くか判断しやすく、手が止まりにくい

完成した論文は序論から結論へと並びますが、執筆の順番は同じである必要はありません。書く内容が決まっている方法や結果から着手し、時間のかかる序論を最後に回すと、効率よく進められます。

まず設計図を描き、それから本文を埋めていく。この準備が、締め切り直前に慌てる事態を防ぎます。

論文とレポートの違い

論文の書き方を学ぶうえで、レポートとの違いを知っておくと型の使い分けがしやすくなります。両者は似ているようでいて、目的や求められる独自性が異なります。

主な違いを整理すると、次の表のとおりです。

観点レポート論文
目的テーマの情報を整理し報告する独自の主張や理論を展開する
独自性既存情報のまとめが中心新しい観点や知見を提示する
構成序論・本論・結論の三段が基本過程や考察を詳細に展開する
客観性事実の報告を重視主張を客観的な根拠で裏づける

レポートは与えられたテーマを整理して報告する課題、論文は自分の問いに対する答えを根拠とともに示すものです。論文では、主張が客観的な事実なのか筆者の解釈なのかを区別し、できるだけ客観性のある事実に近づける姿勢が求められます。

違いを踏まえて型を選べば、評価される文章に近づきます。

論文の書き方の手順

論文の書き方は、思いついた順に書き進めるのではなく、決まった手順をたどると迷いにくくなります。テーマ決めから推敲まで、次の5つのステップを順番に進めるのが基本です。

  1. テーマを決める
  2. 文献を調べる
  3. 構成案をつくる
  4. 本文を書き進める
  5. 全体を推敲する

各ステップの目的を下の表に整理しました。

ステップ主な作業到達点
①テーマを決める問いを立てる答えられる問いの確定
②文献を調べる先行研究を集める根拠となる資料の収集
③構成案をつくるアウトライン作成章立てと各章の要点
④本文を書き進める序論から執筆初稿の完成
⑤全体を推敲する論理と表現の点検提出できる完成稿

①:テーマを決める

最初に取り組むのは、論文の核になる問いを決める作業です。問いがはっきりすると、その後の調査も執筆も進めやすくなります。

論文づくりで最初の難関になるのが、このリサーチクエスチョンの設定です。リサーチクエスチョンとは、研究で明らかにしたい中心の問いを指します。

日常で感じた疑問や興味を出発点にしてみてください。それを「なぜ」「どのように」という形へ言い換えると、問いが立ちやすくなります。

良い問いには、次のような条件があります。

  • 具体的で答えの範囲がはっきりしている
  • 自分の力で調べきれる現実的な大きさである
  • 取り上げる意義や新しさがある

問いが広すぎたり壮大すぎたりすると答えにたどり着けません。まずは答えられる大きさまで絞り込むことが、論文全体の土台になります。

②:文献を調べる

テーマが決まったら、次は関連する文献を調べる段階に移ります。先行研究を効率的に探す文献検索を事前に行わず書き始めると、すでに明らかになっている内容を繰り返してしまうおそれがあるからです。

調べる対象には、学術論文のほか、書籍や統計資料も含まれます。大学図書館やデータベースを使うと、信頼できる資料に効率よくたどり着けます。

集めた資料は出典をメモしながら整理しておきましょう。この一手間で、後の引用作業がぐっと楽になります。

文献を読むときは、自分の問いに対してどんな答えが出ているか、まだ解かれていない点はどこかという視点を持つことが大切です。この作業を通じて、自分の論文が埋めるべき空白が見えてきます。

③:構成案をつくる

文献を読み込んだら、本文を書く前に構成案をつくります。構成案とは、章立てと各章の要点をまとめたアウトラインのことです。

設計図を先に描くと、論理の流れが整います。書きながら迷う時間も減らせます。

論文の基本構成は序論、本論、結論の3つに分かれます。理系では序論、方法、結果、考察という型も広く使われ、IMRADと呼ばれます。

各構成の役割を下の表にまとめました。

構成役割
序論問いと背景を示す
本論調査や分析の中身を述べる
結論問いへの答えをまとめる

この段階では細かい文章まで書く必要はありません。各章で何を主張するかを箇条書きで並べておけば十分です。

④:本文を書き進める

構成案ができたら、いよいよ本文の執筆に入ります。アウトラインに沿って書くと、全体の筋を見失わずに進められます。

文献の文章をそのまま写すのは避けてください。自分の言葉で言い換えたり、複数の資料の内容を組み合わせて整理したりすることで、自分の論として成り立ちます。

引用する場合は、どこから引いたかを必ず明記しましょう。正確な論文引用書き方に従わず出典をあいまいにすると、剽窃と見なされる危険があります。

書く順番は、必ずしも序論からでなくてかまいません。書きやすい本論から手をつけ、序論と結論を最後にまとめる進め方も有効です。

一度に完璧を目指す必要はありません。まずは初稿を書き上げることを優先しましょう。

⑤:全体を推敲する

最後のステップが、書き上げた原稿全体の推敲です。初稿のままでは論理の飛躍や表現のばらつきが残りやすく、見直しによって完成度が大きく上がります。

推敲では、次の点を順に確認します。

  1. 問いと結論がきちんと対応しているか
  2. 章や節の順番が論理的につながっているか
  3. 誤字脱字や引用の書き方に誤りがないか

執筆と推敲は何度か繰り返すのが普通です。章や節の順番を入れ替えたり、論理の流れを組み直したりしながら、読み手に伝わる形へ仕上げていきます。

提出前には、時間を空けてから読み返してみてください。少し間をおくと、見落としに気づきやすくなります。

論文の書き方で守るべきルール

論文の書き方で守るべきルールは、学術的な文章の作法、参考文献と引用の記載、避けたい言葉、句読点や体裁の4つに整理できます。これらを押さえると、評価される論文に近づきます。

理由は、教員や査読者が論理性と正確さを重視するからです。自己流の表現はやり直しや指摘の原因になります。

型に沿って書くことが、説得力への近道です。

学術的な文章の作法

学術的な文章の作法では、客観性を保ちながら主張の責任を明確にすることが基本です。感情的な表現や主観的な断定は避け、根拠に基づいて記述します。

理由は、論文が個人の感想ではなく、検証可能な事実と論証で成り立つ文章だからです。読み手は書き手の好き嫌いではなく、データと論理を見ています。

具体例として、一人称の扱いがあります。かつては「私」「我々」を避ける分野が多かったものの、現在は主張の所在を示すために限定的に使う考え方も広がっています。

論文で意識したい作法は次のとおりです。

  • 話し言葉ではなく書き言葉を使う
  • 断定の根拠を必ず示す
  • 一文を短くし、主語と述語を対応させる
  • 段落ごとに1つの論点にしぼる

学術的な文章の作法を守ると、論理的で読みやすい論文になります。型を意識することが、わかりやすい書き方の出発点です。

参考文献と引用の記載方法

参考文献と引用の記載方法には、明確なルールがあります。引用したものは出典を示し、末尾の参考文献リストにまとめます。

理由は、先行研究と自分の主張を区別し、剽窃を防ぐためです。出典のない記述は、信頼性を大きく損ないます。

引用には2つの方法があります。違いを表で示します。

種類書き方使う場面
直接引用原文のままかぎカッコで囲む表現そのものが重要なとき
間接引用主張を自分の言葉で要約する内容だけを示したいとき

代表的な記載方式にAPAスタイルがあります。著者名のあとに出版年を置き、社会科学分野で広く使われる方式です。

著者が3名以上のときは、第一著者の姓に「et al.」を添えて表記します。

参考文献リストには、本文で引用したものをすべて載せます。記載順や書式を統一することが、正確な論文づくりにつながります。

論文で避けたいNGワード

論文で避けたいNGワードは、話し言葉や主観的すぎる表現です。これらは評価を下げる原因になります。

理由は、論文が書き言葉で書く文章であり、客観性を求められるからです。会話調の語は幼い印象を与えます。

避けたい表現の例を挙げます。

  • 「なので」「だから」などの話し言葉の接続詞
  • 「食べれる」「見れる」といったら抜き言葉
  • 「僕」「自分」などくだけた一人称
  • 「すごく」「とても」など程度があいまいな語
  • オノマトペ(擬音語や擬態語)

言い換えの方向性は、次のように考えると整理しやすくなります。

NGの例言い換えの方向
なのでそのため、したがって
見れる見られる
すごく多い著しく多い、多数

論文で避けたいNGワードを意識すると、文章の品格が上がります。書き言葉への置き換えが、ルールを守る第一歩です。

句読点や体裁のルール

句読点や体裁のルールは、読みやすさと統一性のために守ります。細部の乱れは、雑な印象につながります。

理由は、表記が揺れると読み手の集中をそぎ、内容への信頼が下がるからです。体裁の統一は、内容の正確さと同じくらい重視されます。

横書きの論文では、文末に句点「。」、文中に読点「、」を使います。

数字はアラビア数字を基本とし、英数字専用のフォントでそろえます。

発表用のプレゼン資料作成時と同様に、体裁で確認したい主な項目は次のとおりです。

  • 句点と読点の使い方を統一する
  • 数字の表記をアラビア数字でそろえる
  • フォントや文字サイズを文書内でそろえる
  • 提出先が指定する書式や文字数を守る

句読点や体裁のルールを守ることで、完成度の高い論文に仕上がります。最後の見直しで表記の揺れを消すことが、評価を安定させます。

論文の書き方をわかりやすくするコツ

論文の書き方をわかりやすくするには、型と論理の組み立てを先に押さえることが近道です。ここでは書き出しの例文、論理構成の手順、立場別の注意点、参考書籍を順に紹介します。

書き出しに使える例文

論文の書き出しは、テーマと問題意識を最初に示すと読み手が迷いません。序論で「何を論じるか」「なぜ重要か」を提示すると、その後の本論が理解されやすくなります。

立命館大学の解説でも、序論は研究の背景を読み手へ説明する役割を持つと整理されています。専門的な内容に入る前に、一般的な事柄から書き始める構成が親切とされています。

そのまま使える書き出しの例文を、用途別に挙げます。

  • 背景から入る型「近年、〇〇が注目を集めている。しかし△△については十分に検討されてこなかった」
  • 問いから入る型「本稿が明らかにするのは、〇〇がどのように△△へ影響するかという点である」
  • 目的を示す型「本研究の目的は、〇〇の実態を△△の観点から分析することにある」

いずれも一文目で論点をしぼり、二文目で先行研究との差を示すと、論文らしい書き出しになります。

説得力を高める論理構成

説得力を高める論理構成の基本は、パラグラフライティングです。一つの段落で一つの主張だけを扱い、段落の冒頭に結論となる文を置く書き方を指します。

この型を使う理由は、読み手が段落の先頭を追うだけで論旨をつかめるからです。科学技術振興機構の教材でも、パラグラフは中心となる一文と、それを支える文で構成すると説明されています。

主張を裏づける道具として、三角ロジックも役立ちます。主張とデータと論拠の三つをそろえる考え方で、各要素の働きは次のとおりです。

要素役割
主張言いたい結論〇〇は△△に有効である
データ客観的な事実や数値調査で〇〇群の数値が高かった
論拠主張とデータをつなぐ理由づけ数値の差は△△の効果を示す

三つがそろうと、主観だけの文章から事実に支えられた文章へ変わります。データが多角的なほど、主張の説得力は増します。

社会人や初心者が押さえる点

社会人や初心者がまず押さえる点は、課題を挙げるだけで終わらせないことです。昇進試験などの論文では、課題を見つけたうえで具体的な解決策まで書くと評価が高まります。

理由は、組織が求めているのは課題を実行で解決できる人材だからです。「必要だ」「したい」という抽象論だけでは、社会人の文章として不十分とされています。

初心者がつまずきやすい点を、対策とあわせて整理します。

  • お題から外れる内容を長く書く、対策は問われた論点に答えをしぼる
  • 解決策が薄い、対策は施策の分量を全体の四割前後まで厚くする
  • 懸念点に触れない、対策は施策の弱点や対応もあわせて記す

修士論文の構成や社会人のレポートなど、文章量の比率は、はじめに15パーセント、現状と課題30パーセント、解決施策45パーセント、おわりに10パーセントが一つの目安です。この配分を意識すると、解決策に重心を置いた構成に整います。

参考になる書籍

参考になる書籍として、論文入門の定番が二冊あります。博士論文執筆などでも通用する型と論証を体系的に学べるため、最初の一冊に向いています。

迷ったときは、自分の分野や目的に合わせて選ぶと効果的です。それぞれの特徴は次のとおりです。

書籍名著者出版社特徴
論文の教室 レポートから卒論まで戸田山和久NHK出版論文とは何かから論証の手順までを丁寧に解説
理科系の作文技術木下是雄中央公論新社明快で簡潔な表現を重視した理系向けの定番

文系のレポートや卒論なら、論文の教室から読むと全体像をつかみやすいです。理系で実験や報告を書くなら、理科系の作文技術が手元に置きやすい新書として役立ちます。

まとめ:論文の書き方は構成を決めてから手順どおり書き進めるのが近道

論文の書き方では、序論・本論・結論やIMRADという基本構成を最初に固め、テーマ決めから推敲までの手順を順番に進めることが大切です。本記事では基本構成、執筆の手順、守るべきルール、わかりやすく仕上げるコツを解説しました。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 基本構成を先に固めてから書き始める
  • テーマ決めから推敲まで手順どおり進める
  • 引用や文章作法のルールを守って仕上げる

型と手順を押さえれば、何から書くか迷わず、説得力があり評価される論文に近づけます。やり直しや指摘を減らし、締め切り前の不安も和らぐはずです。

論文指導や研究支援についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひお問い合わせや資料請求をご利用ください。

論文 書き方に関するよくある質問

参考文献

  1. 4-1 パラグラフ構造とは何か(科学技術振興機構)
  2. 論文・レポートの書き方 テクニック編(立命館大学国際関係学部)

執筆者

Daigakukan Renkei 編集部
Daigakukan Renkei 編集部

編集部

大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。

監修者

Daigakukan Renkei リサーチチーム
Daigakukan Renkei リサーチチーム

リサーチチーム

「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。

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