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大学院の英語はどのレベルが必要?入試と入学後の対策を解説

大学院生

この記事のポイント

大学院入試の英語は専攻や大学で形式が異なり、外部試験スコア提出か独自試験かをまず確認します。TOEICは2022年度調査で多くの大学院が活用。英語が苦手でも配点の重い専門科目で挽回でき、入学後は論文や学会で英語を使います。

大学院の英語はどのレベルが必要?入試と入学後の対策を解説

「大学院に進みたいけれど、入試の英語ってどのくらいのレベルが必要なんだろう。そもそも英語が苦手な自分でも合格できて、入学した後もちゃんとついていけるのかな」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 大学院入試で求められる英語のレベルと役割
  • TOEICなど外部試験の使われ方と苦手な人向けの勉強法
  • 入学後に英語が必要となる場面と備え方

大学院入試の英語は専攻や大学によって求められる水準が異なり、外部試験のスコア提出か独自試験かをまず確認することが対策の出発点になります。

英語が苦手でも配点や足切りを見極めれば合格は十分に可能ですし、入学後に必要となる場面も先回りで知っておけば不安は和らぎます。ここから入試と入学後の両面を順に整理していきましょう。

大学院入試で求められる英語のレベルと役割

大学院への進学を考えるとき、多くの人が最初につまずくのが英語です。求められるレベルや役割は専攻・分野・大学によって大きく異なるため、まずは英語の位置づけを整理して自分に必要な準備を見極めていきましょう。

大学院入試における英語の位置づけを理解する

大学院入試における英語は、専門科目や研究計画と並ぶ評価軸の一つです。学部入試のような独立した一斉試験とは性格が異なり、研究を進める基礎力として測られます。

その理由は、大学院での学びが論文の読解や執筆を前提にしているからです。研究の世界では最新の知見の多くが英語で発表されており、英語を読めなければ専門知識のアップデートが難しくなるため、入試の段階で一定の英語力が確認されます。

近年は出題形式も二極化しており、研究科が独自の英語試験を課す場合と、TOEICやTOEFLといった外部試験のスコア提出を求める場合があります。志望先がどちらの形式かを早めに確認することが、対策の出発点になります。

専攻・分野によって変わる英語の重要度を把握する

英語の重要度は専攻や分野で変わります。同じ大学院でも、文系と理系では英語の比重が異なる点を押さえておきましょう。

理系では英語力よりも専門知識が重視される傾向があり、文系では英語そのものが選考で重く扱われやすいといわれます。研究科や専攻全体で語学を共通採点する場合もあり、配点の構造は分野ごとに違います。

実際の配点を見ると、英語が100点に対して専門科目が200点から400点という配分になっている研究科もありますが、語学が足切りに使われる場合は専門科目で挽回できないこともあります。志望先の募集要項で配点と採点方式を必ず確認することが大切です。

求められる英語レベルの目安をつかむ

外部試験を利用する大学院では、TOEICを基準に置くケースが多く見られます。求められるスコアは大学の難易度におおむね比例すると考えてよいでしょう。

なぜなら、難関校ほど多くの研究で高度な英語運用が前提になり、入学後の負担に見合う基礎力が求められるからです。ただしこれは外部試験を採用する研究科の一般的な目安であり、独自試験を課す場合は別の物差しになります。

外部試験を利用する場合のTOEICスコアの目安は次のとおりです。

  • 東京大学・京都大学などの最難関校では800点程度
  • 旧帝大の研究科では700点程度
  • 地方国立大学の研究科では600点程度、500点を基準とする例もある
  • 海外提携プログラムへの参加では800点以上が求められることもある

外部試験のスコアシートは出願期間からさかのぼって2年以内のものに限られる場合が多く、団体特別受験制度によるスコアが認められないこともあります。受験計画は早めに立てておきましょう。

英語が苦手でも大学院に進学できるのか考える

英語に苦手意識があっても、大学院進学は十分に可能です。英語の出来だけで合否が決まるわけではありません。

理由は、多くの研究科で専門科目の配点が英語を上回るからです。英語を合格最低ライン付近で確保し、配点の重い専門科目で確実に得点する戦略をとれば、総合点で合格圏に届くことは珍しくありません。

ただし語学に足切りが設定されている研究科では、英語が一定水準を下回ると専門科目の点数を見てもらえない場合があります。英語が苦手な人ほど、志望校選びの段階で配点と足切りの有無を見極め、自分に合った大学院を選ぶことが合格への近道です。

大学院入試の英語で押さえる出題形式と外部試験

大学院入試の英語は、大学や分野によって形式が大きく分かれます。志望校がどのタイプかを早めに見極めれば、限られた時間を無駄なく配分できます。

ここでは出題パターン、外部試験の使われ方、スコアの選び方、専門英語の読解対策を順に整理します。

大学院の英語試験に多い3つの出題パターンを知る

大学院の英語試験は、大きく3つの出題パターンに分かれます。形式を知っておけば、対策の方向を最初から正しく定められるからです。

1つ目は大学独自の筆記試験で、専門分野の論文から抜粋した英文を和訳・要約させる記述式が中心です。2つ目はTOEICやTOEFLなど外部試験のスコア提出で、独自試験を課さず換算点に置き換える方式を指します。

3つ目は両者の併用で、外部スコアを出願要件としつつ、専門英語の筆記も実施する形です。多くの研究科がこのいずれかを採用しているため、募集要項で自分の志望先がどれに該当するかをまず確認しましょう。

TOEIC・TOEFL・IELTS・英検の使われ方を比較する

外部試験は種類ごとに難易度と用途が異なります。志望分野や留学の有無に合わせて使い分けると、英語の学習負担を抑えられます。

TOEICは国内大学院で最も広く使われ、2022年度の調査では92校中77校が活用していました。TOEFLは主に東京大学の大学院など、英語力を厳しく問う専攻で採用されます。

IELTSは北海道大学の大学院などで利用でき、留学を視野に入れる場合に強みがあります。英検は単独要件としての採用が限られ、参考指標として扱われる場面が中心です。

下表で各試験の目安を比較します。

試験国内大学院での主な扱いスコア目安向いている人
TOEIC L&R最も普及、換算点に利用国公立で500〜730点、難関で800点前後短期で得点を上げたい人
TOEFL iBT難関大学院・国際系で採用80〜100点が最低基準の目安海外文献や留学を見据える人
IELTS一部大学院・留学併願で利用6.0〜6.5前後が目安海外大学院も併願する人
英検参考指標としての扱いが中心準1級〜1級相当国内併願で実績を示したい人

TOEICはTOEFLより短期間で高得点を狙いやすいとされ、国内進学が中心なら現実的な選択肢になります。

提出する外部試験スコアの選び方を決める

外部試験を提出する場合は、志望校の要件から逆算して種類を1つに絞ると効率的です。複数を並行するとスコアメイクが分散し、専門科目の対策時間を圧迫するためです。

選ぶ際の判断軸を次に挙げます。

  • 志望研究科が認める試験の種類を、募集要項で最初に確認する
  • 国内進学が中心ならTOEIC、留学や国際系専攻ならTOEFLかIELTSを優先する
  • 換算式や基準スコアを調べ、自分が到達すべき目標点を数値で把握する
  • スコアの有効期限と出願時の原本提出の要否を確認する
  • 受験から結果発送までの期間を逆算し、出願に間に合う受験日を押さえる

東京海洋大学のようにTOEICスコアを独自の式で換算する大学もあるため、目標点は志望先ごとに具体的な数字へ落とし込むことが大切です。

専門分野の英文和訳・読解への対策を進める

独自試験を課す大学院では、専門分野の英文和訳と読解が得点の大半を占めます。英語の基礎力に加え、論文調の文章を正確に読み解く力が問われるためです。

出題される英文は小説やエッセイではなく、論文から抜粋された一文の長い複雑な文章がほとんどです。記述式の和訳は構文を正しく取れないと正解にたどり着けないので、英文法と構文把握を土台として固めましょう。

そのうえで志望分野の論文を読み込み、頻出する専門用語や言い回しに慣れておくと、本番の読解が安定します。過去問で出題形式や辞書持ち込みの可否を確認し、本番に近い条件で和訳の練習を重ねることが、合格への近道になります。

英語が苦手な人向けの大学院入試までの勉強法と準備

英語が苦手でも、大学院入試の英語は計画的な準備で十分に乗り越えられます。やみくもに勉強するのではなく、出願日からの逆算、外部試験のスコアメイク、専門英語の和訳力、志望校の傾向把握という4つの軸で進めることが合格への近道です。

ここでは、英語に自信がない受験生が無理なく実力を伸ばすための具体的な勉強法と準備の手順を解説します。

受験までの英語学習スケジュールを逆算で組む

大学院の英語対策は、出願締め切りから逆算してスケジュールを組むことが何より重要です。多くの大学院入試は8〜11月に実施されるため、英語が苦手な人は前年のうちから準備を始めると余裕を持って臨めます。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. 志望校の出願締め切りと試験日を募集要項で確認する
  2. そこから逆算して学習開始時期と中間目標を決める
  3. 1か月単位で学習目標を設定し、1週間・1日単位のノルマに落とし込む
  4. 月末ごとに進捗を見直し、遅れていれば配分を調整する

たとえば現在のスコアから目標到達まで約300時間が必要なら、週11時間の学習で半年前後かかる計算になります。このように所要時間を数字で把握しておけば、専門科目や研究計画書との時間配分も立てやすくなります。

外部試験のスコアメイクに取りかかる

TOEICなどの外部試験を採用する大学院では、早めのスコアメイクが合否を左右します。TOEICのスコアは有効期間が2年間のため、出願時に有効な状態であるよう受験日を逆算して決めることが大切です。

英語が苦手な人がスコアを伸ばすコツは、得意分野を伸ばすより弱点を埋める方が効率的だという点にあります。次の流れで対策を進めましょう。

  1. 公式問題集を1回分解いてパート別の正答率を出す
  2. 正答率の低いパートを特定し、そこに学習時間を集中させる
  3. 単語・文法など基礎を固めてから問題演習を繰り返す
  4. 2〜3か月ごとに受験し、スコアの伸びを確認する

スコアメイクには数か月単位の時間がかかるため、思い立った時点ですぐ着手する姿勢が肝心です。早く始めるほど受験回数を確保でき、本番で実力を出しやすくなります。

専門英語の和訳力と語彙力を鍛える

大学院入試の英語では、専門分野の文章を扱う英文和訳が大きな比重を占めます。記述式の和訳は英文を正確に読解できなければ得点につながらないため、和訳力と専門語彙を地道に積み上げることが欠かせません。

おすすめの学習手順は以下のとおりです。

  1. 志望分野の英語論文や専門書を1本選んで通読する
  2. 一文ずつ訳し、分からない単語や文法はその都度調べる
  3. 頻出する専門用語をノートにまとめ、繰り返し復習する
  4. 翻訳ツールは答え合わせや読解の補助として使い、自力訳を優先する

英文法に不安がある場合は、大学院入試向けの文法参考書で長文読解に必要な基礎を固めると効果的です。専門英語は分野ごとに頻出語彙が決まっているため、早い段階で語彙の地図を作っておくと読解速度が大きく上がります。

過去問と募集要項で志望校の傾向を確認する

志望校の出題傾向を知らないまま対策を進めるのは遠回りです。過去問と募集要項を早めに入手し、英語が独自試験なのか外部試験スコア提出なのか、和訳中心なのか英作文があるのかを確認しましょう。

過去問の主な入手方法は次のとおりです。

入手方法特徴
大学公式サイトのダウンロード手軽で、最新年度を確認しやすい
大学への郵送請求公開されていない年度も入手できる場合がある
研究室訪問で院生から入手出題傾向や対策の生の情報も得られる
大学での閲覧・印刷その場で複数年分をまとめて確認できる

過去問を解いたら、解説を理解したうえで本文を精読し、頻出テーマや語彙を洗い出します。こうして志望校に的を絞った勉強を重ねれば、英語が苦手でも大学院合格に必要な力を着実に固められます。

入学後に大学院で英語が必要となる場面と向き合い方

大学院では入試を突破した後にこそ、英語と日常的に向き合う機会が増えていきます。論文の読み書きから授業、学会発表、さらには英語のみで学位を取る道まで、ここでは入学後の代表的な四つの場面と備え方を整理します。

英語論文を読む・書く力を身につける

大学院での研究において、英語論文を読む力と書く力はもっとも基礎的な英語スキルといえます。最先端の研究成果の多くは英語で発表されるため、先行研究を把握する段階から英語の読解が欠かせず、修士論文や学術誌への投稿でも英語での執筆を求められる場面が増えています。

読む力を伸ばすには、自分の研究分野の論文を毎週一定数ずつ読み続け、専門用語と頻出表現に慣れることが近道です。書く力については、優れた論文の言い回しを写し取りながら指導教員や校正サービスの添削を受けると、大学院での英語への抵抗は着実に薄れていきます。

授業やゼミで英語に触れる機会を活かす

大学院の授業やゼミは、英語に日常的に触れられる貴重な機会です。輪読形式で英語文献を担当したり海外文献の要旨を発表したりする場面が多く、こうした機会を避けずに活かすことが入学後の英語力を底上げする鍵になります。

具体的には、担当する文献を要約してスライドにまとめ、口頭で説明する練習を重ねると効果的です。ゼミでの質疑応答によく使う表現を準備しておくと落ち着いて対応でき、守られた環境で失敗を重ねておくことが後の本番での自信につながります。

学会発表や口頭試問で英語を使う場面に備える

学会発表や口頭試問は、大学院で英語を実践的に使う緊張感の高い場面です。国際学会では研究成果を英語で発表して質疑応答を交わす必要があり、事前の備えがあるかどうかで当日のパフォーマンスは大きく変わります。

発表に向けては、原稿を暗記するのではなく要点を体に覚え込ませ、想定される質問への回答を準備しておくとよいでしょう。以下に主な場面と必要となる英語力を整理します。

場面主に求められる英語力備えのポイント
学会での口頭発表スピーキング・発音要点の反復練習と質問の想定
ポスター発表双方向の会話力短い説明と応答の準備
口頭試問リスニング・即応力専門用語の英語表現の確認

場数を踏むほど緊張は和らぎますので、学内の発表機会を積極的に使うことをおすすめします。

英語のみで学位を取得するプログラムを検討する

近年は英語のみで学位を取得できる大学院プログラムも選択肢に入ります。東京大学や京都大学、名古屋大学、上智大学、慶應義塾大学など多くの大学が授業から論文指導までを英語で完結させるコースを整備しており、英語環境で研究したい日本人学生にも開かれています。

こうしたプログラムでは英語が日常言語となるため、入学時点で高い英語力が求められる一方、研究と語学を同時に鍛えられる利点があります。出願資格や授業言語、学費、奨学金の条件は大学ごとに異なるため、志望先の募集要項を早めに確認し、自分のキャリアと英語力を見据えて進路を検討してみてください。

まとめ:大学院の英語は入試と入学後に分けて準備すれば乗り越えられる

大学院の英語は、入試で求められる水準と入学後に必要となる場面に分けて考えると全体像がつかめます。入試では専攻や大学ごとに形式と配点が異なり、外部試験か独自試験かを早めに見極めることが大切でした。

英語が苦手でも、配点の重い専門科目で得点する戦略をとれば合格は十分に狙えます。入学後の論文や学会で英語を使う場面も、段階的に慣れていけば着実に乗り越えられます。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 入試の英語は外部試験か独自試験かで対策が変わる
  • 苦手でも配点と足切りを見極めれば合格は可能
  • 入学後の英語は論文・授業・学会で段階的に慣れる

入試と入学後の準備の道筋が見えれば、英語への不安を抑えながら志望校選びと学習計画を進められます。専門科目との時間配分も立てやすくなるはずです。

大学院進学に向けた英語対策や進路の相談は、お問い合わせや資料請求からお気軽にご利用ください。

大学院 英語に関するよくある質問

参考文献

  1. TOEIC Tests 入学試験における活用状況 2022年度 大学院(IIBC)
  2. 博士前期課程入試における外部英語試験(TOEIC等)の利用について(東京海洋大学)

執筆者

Daigakukan Renkei 編集部
Daigakukan Renkei 編集部

編集部

大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。

監修者

Daigakukan Renkei リサーチチーム
Daigakukan Renkei リサーチチーム

リサーチチーム

「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。

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