助教授と准教授の違いは?2007年の法改正と役職の序列を解説
この記事のポイント
助教授と准教授は2007年の学校教育法改正で名称が変わった同じ役職で、現在は准教授が正式名称です。助教は同じ改正で新設された別の職。役職序列は教授、准教授、講師、助教、助手の順で准教授は助教より上にあたります。准教授の平均年収はおおむね880万円前後です。
「助教授と准教授って同じなの。助教ともまぎらわしいけれど、役職の序列や年収はどうなっているのか整理したい」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- 助教授と准教授の違いと2007年の法改正
- 教授から助手までの役職の序列
- 准教授の仕事内容や年収となる方法
助教授と准教授は、2007年の学校教育法改正で名称が変わった同じ役職で、現在は准教授が正式な呼び方です。
紛らわしい助教との違いや、役職の序列、准教授の年収となる方法まで公的資料をもとに整理するので、肩書の意味をすっきり理解したい方はぜひ最後まで読んでみてください。
助教授と准教授の違い
結論からいうと、助教授と准教授は別々の職ではなく、同じ役職の新旧の呼び名です。2007年の学校教育法改正によって「助教授」という呼称が廃止され、「准教授(じゅんきょうじゅ)」へと置き換わりました。
英語ではどちらも associate professor にあたり、アカデミアにおいて教授(professor)の次に位置づく職階という点は変わっていません。読者が混乱しやすいのは、改称とほぼ同じタイミングで「助教」という別の職が新設されたためです。
ここでは助教授と准教授の関係、職務の変化、そして助教との違いを順に整理します。
助教授が准教授に変わった2007年の法改正
助教授が准教授へ変わった直接の根拠は、2005年に成立し2007年4月1日に施行された学校教育法の改正にあります。文部科学省の資料でも、大学に置く職として助教授に代えて准教授を設けると明記されました。
改称の理由は2つあって、ひとつは「助教授」という名前が「教授を助ける」という印象を与え、実態とずれていたこと。もうひとつは、「助教授」を英訳すると assistant professor にあたり、教授の次の職として国際的に通用しにくかったことです。
つまり「助教授 准教授どっちが上」という問いには、どちらが上でもなく同じ職階という答えになります。改正法は2005年に成立し、各大学の準備期間を置いて2007年4月1日に施行されました。
助教授と准教授の職務内容の違い
呼称だけでなく、職務上の位置づけも改正で見直されました。旧来の助教授は条文上「教授の職務を助ける」と書かれていたのに対し、准教授は教授と同じく「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」ことが主たる職務と定められ、自ら独立して教育研究を行う職へと明確化されています。
教授との差は、教育課程の編成など組織全体の教学運営に対する責任の重さにあって、その点では教授がより重い責務を担います。
| 項目 | 助教授(2007年以前) | 准教授(2007年以降) |
|---|---|---|
| 読み方 | じょきょうじゅ | じゅんきょうじゅ |
| 英語表記 | assistant professor 等 | associate professor |
| 条文上の位置づけ | 教授の職務を助ける | 自ら教育研究を行う独立した職 |
| 教学運営の責任 | 限定的 | 准教授が担うが教授より軽い |
なお年収については職階自体が同等のため、助教授 准教授 年収を比べても基準は連続しており、目安はおおむね700万〜900万円台とされます。医学部など助教授 准教授 医師のケースでも、この職階の枠組みは共通です。
助教授と助教を混同しないための整理
ここで注意したいのが、准教授と「助教」を取り違えないことです。助教授 助教 違いがわかりにくいのは名前が似ているからですが、両者はまったく別の職にあたります。
准教授は助教授の言い換えである一方、助教は2007年改正で新しく設けられた、教授・准教授に次ぐ独立した若手の職です。
整理すると次のようになります。
- 助教授と准教授は同じ職階で、2007年に呼び名が変わっただけ
- 助教とは同じ改正で新設された別の職で、自ら教育研究を行う若手教員にあたる
- 助手は教育研究の補助を主とする職で、助教とは役割が分けられた
改正前は曖昧だった「助手」の中から、自ら教育研究を担う層を助教として独立させ、教授や准教授へのキャリアの道筋をはっきりさせた経緯があります。准教授 年齢の目安は40代前後が中心で、その先で准教授 教授になれないまま定年を迎える人もいる点を踏まえると、助教から始まる職階の流れを押さえておくと全体像をつかみやすくなります。
大学教員の役職と序列
大学教員の役職は学校教育法という法律で定められ、上から教授・准教授・講師・助教・助手という序列になっています。かつての「助教授」が現在の「准教授」にあたるため、助教授と准教授どちらが上かと迷う読者も少なくありません。
実際には助教授は2007年の改正で廃止された旧名称で、准教授はその後継です。ここでは各役職の順位、准教授と助教の上下関係、そして国立大学と私立大学での呼称の違いを順に整理します。
教授から助手までの役職の順位
大学教員の序列は教授を頂点として明確に決まっています。理由は、学校教育法が各職の職務内容と求められる知識・能力の水準を段階的に定めているからです。
具体的な順位は次の表のとおりとなります。
| 順位 | 役職 | 主な職務 |
|---|---|---|
| 1 | 教授 | 専攻分野で特に優れた実績を持ち、学生の教授と研究指導を担う |
| 2 | 准教授 | 教授に次ぐ立場で独立して教育・研究を行う(旧称が助教授) |
| 3 | 講師 | 教授または准教授に準ずる職務に従事する |
| 4 | 助教 | 自ら授業を担当し独立して研究も行う |
| 5 | 助手 | 教育研究の円滑な実施を支える業務を担い、通常は授業を持たない |
英語では教授がProfessor、准教授がAssociate Professor、講師がLecturerにあたります。准教授の読み方は「じゅんきょうじゅ」です。
このように、教授から助手までの順位は法律に基づいて整然と並んでいます。
准教授と助教はどちらが上か
准教授と助教では、准教授のほうが上の役職です。両者の間には講師が入るため、序列としては准教授・講師・助教という順番になります。
助教は自ら授業を担当して独立した研究も行う若手の教員で、講師や准教授の下に置かれます。なお、任期付きの特任助教とは異なり、通常の助教は将来的に昇進を目指すキャリアパスにあり、講師を経て准教授へと段階的に進むのが一般的な流れです。
名称が似ているため混同されやすいものの、助教授と助教はまったく別の役職である点に注意してください。准教授と助教の違いを押さえれば、大学内の序列を正しく理解できます。
国立大学と私立大学での呼称の違い
教授・准教授・講師・助教・助手という基本的な呼称は、国立大学と私立大学で共通しています。これは学校教育法がすべての大学に適用されるためです。
一方で、運用面や医学部などでは独自の呼称が加わる場合があります。次のような例が挙げられます。
- 特任教授や特任准教授など、任期付きで雇用される教員に付く「特任」の肩書き
- 大学病院が独自に与える「病院教授」「病院講師」といった職位
- 医学部や大学病院で見られる「医員」「研修医」など、正規の教員枠とは別の立場
医師の場合、たとえば「病院教授」と呼ばれていても、大学の教員としての職位は別に定められていることがあり、呼称と法律上の職位が一致しないケースがあります。基本の序列は国立・私立で共通しつつ、現場ごとの呼称差を知っておくと混乱を避けられます。
准教授の仕事内容と年収
准教授とは、かつての助教授(じょきょうじゅ)にあたる職位で、2007年の学校教育法改正により名称が「准教授(じゅんきょうじゅ)」へと置き換わりました。助教授と准教授がどっちが上かと迷う方もいますが、両者は時代の異なる同じ職位であり、現在の准教授は教授の補佐役ではなく独立した教育研究者として位置づけられています。
ここでは准教授の仕事内容、平均年収、なる年齢層の目安を、公的データをもとに整理します。
准教授の主な仕事内容
准教授の仕事は、教育・研究・大学運営の3つの柱で構成されます。学校教育法では准教授を「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」者と定め、教授と同じく自らの責任で教育と研究を担う存在として規定しています。
具体的な業務は次のとおりです。
- 教育:講義やゼミの担当、シラバスの作成、成績評価、学生の研究指導
- 研究:論文執筆、学会での発表、研究費の申請と管理、専門書の執筆
- 大学運営:カリキュラム策定、入試業務、各種委員会への参加、予算管理
ここで大切なのは、助教授と助教の違いを混同しないことです。助教も学校教育法上、学生を教授し研究を指導し、または研究に従事する教員で、補助を主な職務とするのは助手です。そのうえで、旧助教授である准教授は、より豊富な実績を前提に自らの研究室や研究テーマを持つことが多い立場という点に違いがあります。
准教授の平均年収と待遇
准教授の平均年収は、おおむね870万円台が目安となります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、大学教員の年収において大学准教授は約876万円で、教授と講師・助教の中間に位置する水準です。
職位ごとの待遇を比較すると、次のように整理できます。
| 職位 | 平均年収 | 月額給与(目安) | 年間賞与(目安) |
|---|---|---|---|
| 教授 | 約1,083万円 | 約66.8万円 | 約281.3万円 |
| 准教授(旧助教授) | 約876万円 | 約55.6万円 | 約209.4万円 |
| 講師・助教 | 約712万円 | 約48.9万円 | 約125.5万円 |
※月額給与は「きまって支給する現金給与額」、平均年収は月額×12+年間賞与で計算(令和7年、企業規模10人以上)。
助教授と准教授の年収を語るときは、この賃金構造基本統計調査の数値が代表的な根拠になります。表からわかるとおり、准教授の年収は講師・助教より約160万円高く、教授との差は約210万円であり、他の研究員の給料水準と比較しても高めに設定されています。
なお医師が大学で准教授を務める場合は、診療報酬や手当が加わるため、この統計値より高くなる傾向があります。准教授を英語で表すときはAssociate Professorと訳され、国際的な学術交流でも通用する肩書です。
准教授になる年齢層の目安
准教授になる年齢層は、30代後半から40代が中心になります。在職している大学准教授の平均年齢は49.3歳(令和7年賃金構造基本統計調査)で、40代から50歳前後が中心です。
准教授の年齢分布を目安として示すと、次のような傾向が見られます。
- 30代後半:博士号取得後、助教を経て准教授へ昇進する人が増える時期
- 40代:准教授全体の半数近くが集中する中心層
- 50代以上:教授へ昇進せず准教授にとどまるケースも含まれる層
准教授になれない、あるいは教授になれないという声もありますが、その背景には大学のポスト数が限られている事情があります。准教授から教授へ進むには、研究業績や学内外での評価の積み重ねが求められるため、40代後半から50代で教授を目指すのが一般的なキャリアの流れです。
准教授になる方法とキャリアパス
准教授(旧助教授)になるには、博士号を取得し、助教や講師として研究業績を積み、公募を経て採用される流れが基本です。アカデミアでは助教から准教授へ昇進する人もいれば、他大学の公募に応募して准教授の職を得る人もいます。
ここでは、助教から准教授になるための条件、求められる実績、そして准教授から教授へ進むキャリアパスを、文部科学省の資料や研究者人材データベースJREC-INの情報をもとに整理します。
助教から准教授になるための条件
助教から准教授になるための前提は、博士号と研究業績の蓄積です。学校教育法は准教授を「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」者と定めており、教授と同じく自らの責任で教育と研究を担える資質が求められるためです。
助教から准教授へ進む手順は、おおむね次のとおりです。
- 博士号を取得し、ポスドクや助教として研究キャリアを始める
- 助教として論文発表・学会報告を重ね、研究業績を蓄積する
- 准教授の公募情報をJREC-INなどで探す、または学内昇進の対象となる
- 履歴書・主要論文・研究計画書を提出し書類選考を受ける
- 面接(模擬講義を含む場合あり)を経て採用が決まる
文部科学省の検討資料では、助教から准教授への昇進は公募制とし、学内昇進を原則として行わない制度の導入も考えられるとされています。助教授と准教授がどっちが上かと迷う方もいますが、両者は時代の異なる同じ職位で、助教授と助教の違いとは異なり助教より一段上の独立したテニュア(任期なし)ポストにあたります。
准教授になるために求められる実績
准教授になるために求められる実績は、研究・教育・社会貢献の3領域にわたります。准教授は独立した教育研究者として位置づけられるため、研究力だけでなく教育力や外部資金の獲得力も評価対象となるからです。
評価される主な実績を領域ごとに示します。
| 領域 | 求められる主な実績 |
|---|---|
| 研究 | 査読付き論文、筆頭著者論文、学会発表、著書 |
| 外部資金 | 科研費など競争的研究費の獲得実績 |
| 教育 | 講義・ゼミ担当、学生指導、シラバス作成の経験 |
| 社会貢献 | 学会役員、委員会活動、産学連携などの実績 |
特に近年は、准教授や助教を採用する際にテニュアトラック制を適用する大学が増えています。テニュアトラックとは、任期付きで採用された若手研究者が一定期間内に審査を受け、合格すれば任期のない安定したポスト(テニュア)へ移行できる制度のこと。
任期は5年程度が多く、任期終了前の審査で任期のない職への移行や昇任を判断します。対象や審査の時期は大学ごとに定められています。准教授を英語ではAssociate Professorと表記し、こうした業績は国際的な評価でも共通の指標になります。
准教授から教授へのキャリアパス
准教授から教授へ進むには、さらに研究業績を積み上げ、教授ポストの公募や学内審査で資質能力が認められる必要があります。文部科学省の資料は、教授への昇進を「更に研鑽を積み」「業績や資質能力が認められた者」に限るとし、各大学の判断で公募制を導入することも推奨しています。
ただし准教授から教授になれないケースも珍しくありません。その最大の要因はポスト不足です。
教授の定員は限られ、退職などで空席が出たときにしか募集されないため、優れた研究業績があってもタイミングに恵まれず准教授にとどまる人が出ます。
教授を目指す際の現実的な流れは次のとおりです。
- 准教授として筆頭著者論文や著書を増やし、研究分野での評価を確立する
- 科研費などの研究費を継続的に獲得し、研究室の運営実績を示す
- 自校または他大学で教授ポストの公募が出たタイミングで応募する
准教授になる年齢の中心は40代で、教授へ進むのは40代後半から50代が一般的です。教授になれないという声の背景にはこうした構造的なポスト不足があるため、早い段階から業績を計画的に積み、公募の機会を逃さない姿勢がキャリアパスを切り開く鍵になります。
まとめ:助教授と准教授は2007年の法改正で名称が変わった同じ役職
本記事では、助教授と准教授の違いから始まり、大学教員の役職と序列、准教授の仕事内容と年収、准教授になる方法とキャリアパスまでを順番に整理しました。助教授と准教授は別の役職ではなく、2007年の学校教育法改正で呼び方が変わった同じ職だという点が最大のポイントです。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- 助教授は2007年の学校教育法改正で准教授へ改称された同じ役職で、助教は同改正で新設された別の職
- 役職序列は教授から准教授や講師を経て助教や助手の順で、准教授は助教より上
- 准教授の平均年収はおおむね880万円前後で、助教や講師から実績を積んで昇進する
ここまで読み進めたことで、助教授と准教授と助教の関係や役職序列、年収の目安が整理できたはずです。
アカデミアのキャリア設計や大学との連携についてさらに詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
助教授 准教授に関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。
監修者
リサーチチーム
「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。
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