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博士号 読み方|はくしごうが正式、はかせごうとの違いを解説

大学院生

この記事のポイント

博士号の正式な読み方は「はくしごう」。辞書・NHK放送基準・漢字文化資料館いずれもはくしを学位の標準読みとし、論文・履歴書・学術の場ではくしごうを使うのが基本。日常会話での「はかせごう」は慣用として許容される。博士号は大学院博士課程修了で得られる最高位の学位で、課程博士と論文博士の2ルートがある。

博士号 読み方|はくしごうが正式、はかせごうとの違いを解説

「博士号は"はくしごう"と"はかせごう"、どちらが正しい読み方ですか?」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 「はくしごう」が正式な読み方
  • 「はかせごう」も慣用的に使われる
  • 博士号の意味・取得方法も解説

正式な学位の呼称としては「はくしごう」が正しく、辞書・放送基準・法令いずれも「はくし」を標準読みとして採用しています。

一方で「はかせごう」も日常会話では広く使われており、場面によって使い分けることが実用上の正解です。どんな場面でどちらを使えばよいかを具体的に解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

博士号の読み方はどちらが正しいか

「博士号」には「はくしごう」と「はかせごう」の2つの読み方があり、どちらが正しいのか迷う方は少なくありません。結論から言えば、博士という学位の全体像を踏まえると、学位を指す正式な呼称は「はくしごう」です。

「はくしごう」が正式な読み方

コトバンクやWeblio辞書など主要な国語辞典は、「博士号」の見出し語を「はくしごう」として掲載しています。漢字の音読みどおりに読むと「博(はく)+士(し)+号(ごう)」となるため、音読みの一貫性という点でも「はくしごう」が正則です。

1887年(明治20年)に制定された学位令で、大学院が授与する最高学位の名称として「博士(はくし)」が定められました。以来、学術・法令の場では一貫して「はくし」が使われています。

「はかせごう」も使われる理由

「はかせ」という読みは、律令時代に大学寮で専門知識を教えた官職「博士(はかせ)」に由来します。奈良・平安期から口語で定着したこの読みが、現代でも日常会話に残っています。

「お天気博士」「昆虫博士」など、特定分野に詳しい人を指す口語表現では「はかせ」が使われます。この慣用が「博士号」にも転用され、「はかせごう」という読みが広まったとされています。

NHKや辞書での扱い

NHK放送文化研究所は、正式な学位の呼称については「はくし」と読むと明示しています。「文学博士」「医学博士」などの学位号は放送でも「はくし」と読み、「物知り博士」のような慣用表現にのみ「はかせ」を用いると説明しています。

漢字文化資料館も同様に、「学位の場合はハクシ、知識が豊富な人や役職の場合はハカセ」と使い分けを示しています。辞書・放送基準ともに「はくしごう」を学位の正式読みと位置づけており、公式な文書やアナウンスでは「はくしごう」が標準です。

状況に応じた使い分け

学術・ビジネス・日常会話など場面によって適切な読みは異なります。下表を参考に使い分けてください。

使う場面読み方
論文・申請書・履歴書など公式文書はくしごう
大学・学会・講演会でのアナウンスはくしごう
ニュース・放送(NHK基準)はくしごう
日常会話・砕けた口語表現はかせごう(慣用として許容)
「虫博士」「天気博士」など知識人の比喩はかせ

公式な場面では「はくしごう」を使えば間違いありません。日常会話で「はかせごう」と言っても通じますが、改まった席では「はくしごう」に統一するのが無難です。

博士と博士号の違い

「博士」と「博士号」は日常的に混用されがちですが、それぞれ指し示す内容が異なります。正確に理解しておくと、読み方の使い分けにも迷わなくなります。

「博士」という言葉の2つの意味

「博士」という言葉には、大きく分けて2つの意味があります。

意味読み方
学問上の学位を持つ人はくし博士(はくし)課程、医学博士
ある分野に詳しい人はかせ昆虫博士、お天気博士

学位としての「はくし」は大学院の博士課程を修了した人に授与されるものです。一方、「はかせ」はある分野の知識が豊富な人を親しみや敬意を込めて呼ぶ表現で、学位とは無関係に使われます。

「博士号」とはなにか

「博士号」とは、大学院の博士課程を修了し、博士論文の審査と試験に合格した際に授与される学位の名称です。正式な読み方は「はくしごう」です。

学位の体系では「学士号(学部卒)→ 修士号(修士課程修了)→ 博士号(博士課程修了)」の順に専門性が高くなります。博士号は、その分野における「プロの研究者」として学術的に認められた証明となります。

取得方法は、大学院の博士課程に在籍して取得する「課程博士」と、課程を経ずに博士論文の審査のみで取得する「論文博士」の2種類があります。

ハクシとハカセの語源

「はくし」と「はかせ」は同じ漢字を書くにもかかわらず、語源がまったく異なります。「博」の字音は「ハク・バク」、「士」の字音は「シ・ジ」であり、「ハカ」や「セ」という音は中国語由来の字音には存在しません。

「はかせ」という読みは、百済(くだら)から日本に渡来した学問・技術の専門家を指す言葉に由来すると考えられています。五経博士・医博士・易博士など、百済から送られた専門職の称号がそのまま日本語に取り込まれ、「はかせ」という読みが定着したとされます。

その後、大宝律令(701年)で「博士(はかせ)」が大学寮の教官を指す官職名に採用されました。

一方「はくし」は明治時代に成立した比較的新しい読みです。1873年(明治6年)の「学制」改定で博士が学位として制度化され、1920年(大正9年)の学位令で博士が正式な学位名称として確立しました。

この学位制度化の流れの中で「はくし」という字音読みが定着し、現在の正式な学術用語としての読み方になっています。

学士号・修士号・博士号の読み方一覧

日本の学位には「学士号」「修士号」「博士号」の3段階があります。学士・修士・博士の違いを一覧で比較しながら、それぞれ読み間違えやすい漢字が含まれているため、正確な読み方を確認しておきましょう。

学位読み方英語備考
学士号がくしごうBachelor's degree(バチェラーズ ディグリー)4年制大学卒業で取得
修士号しゅうしごうMaster's degree(マスターズ ディグリー)大学院修士課程修了で取得
博士号はくしごう(はかせごう)Doctor's degree / PhD(ピーエイチディー)大学院博士課程修了等で取得
博士課程はくしかていDoctoral program(ドクトラル プログラム)正式な学術用語での読み方

「博士課程」の読み方

「博士課程」の正式な読み方は「はくしかてい」です。「博士」を「はく」「し」と音読みすることから、学術的な文脈では「はくしかてい」が標準とされています。

ただし、日常会話では「はかせかてい」と読まれることもあります。どちらも一般的には通じますが、大学や研究機関の公式な場面では「はくしかてい」を使うのが適切です。

「博士課程」は、修士課程修了後に進む大学院の過程を指します。前期課程(修士課程)と後期課程(博士課程)に分けて設置されている大学院が多く、後期課程の標準修業年限は3年です。

「修士号」の読み方

「修士号」の読み方は「しゅうしごう」です。「修士」は「修(しゅう)」「士(し)」の音読みで構成されており、読み方に揺れはありません。

修士号は、大学院の修士課程または博士課程前期課程を修了することで授与される学位です。修了要件として、所定の単位取得と修士論文の審査・最終試験への合格が必要になります。

修士号は英語で「Master's degree(マスターズ ディグリー)」といいます。専攻によって「Master of Arts(MA)」(文系)や「Master of Science(MS/MSc)」(理系)などに区分されます。

「学士号」の読み方

「学士号」の読み方は「がくしごう」です。「学士」は「学(がく)」「士(し)」の音読みで、修士号・博士号と同様に読み方に迷う部分はありません。

学士号は、4年制大学(一部は3年)を卒業することで授与される学位です。大学を卒業した証明であると同時に、大学院進学の前提となる資格でもあります。

学士号という言葉は「大学を卒業すること」と同義に使われることが多いですが、正式には卒業後に授与される学位の名称です。就職活動や履歴書では「学士(○○学)」の形式で記載します。

学位の英語での読み方

学位を英語で表現すると、それぞれ次のように対応しています。博士号の英語表記と使い分けについては「学士号」はBachelor's degree(バチェラーズ ディグリー)、「修士号」はMaster's degree(マスターズ ディグリー)、「博士号」はDoctor's degree(ドクターズ ディグリー)またはPhD(ピーエイチディー)です。

「PhD」はDoctor of Philosophy(ドクター オブ フィロソフィー)の略で、人文・理工を問わず学術系博士号を広く指します。Doctorの語源はラテン語で「教師」や「学びを積んだ者」を意味し、高度な専門知識と研究能力を持つ人物であることを示す称号です。

英語圏では学位の種類によって略称も異なり、文系の学士はB.A.(Bachelor of Arts)、理系の学士はB.Sc.(Bachelor of Science)、修士はM.A.やM.Sc.、博士はPh.D.やEd.D.などと表記されます。履歴書や論文に記載する際は、取得した学位の正確な略称を確認しておくとよいでしょう。

博士号とはなにか:意味・取得方法・難易度

博士号は、大学院の博士課程を修了した際に授与される日本最高位の学位です。博士号の種類と取得方法については、学校教育法に基づき、大学または大学改革支援・学位授与機構が授与権限を持ちます。

博士号を取得する方法

博士号を取得するルートは、大きく「課程博士」と「論文博士」の2種類に分かれます。

  1. 課程博士:大学院の博士課程(博士後期課程)に在籍し、規定年数(通常3年)の修学と所定単位を満たしたうえで、博士論文の審査に合格して取得します。
  2. 論文博士:博士課程に在籍せず、自力で研究した成果をまとめた学位請求論文を大学に提出し、審査に合格することで取得します。
  3. 医学・歯学・薬学・獣医学系:6年制の専門学部卒業後、博士課程4年を経るルートが設けられています。

なお、課程博士と論文博士はどちらも同じ「博士」の学位であり、取得後の学位の効力に差はありません。ただし、論文博士は課程を経ないため、学歴(最終学歴)には反映されません。

博士号の取得難易度

博士号の難易度は、修士号と比べると格段に高くなります。博士課程のストレート修了率(3年以内の修了)は全体で約27%にとどまっており、修士課程の86%超と大きく開きがあります。

分野別では理学・工学系で50%前後、人文科学系では20%程度とさらに低い傾向があります。日本全体で博士号保有者は人口の約0.4%(240人に1人)程度であり、希少な学位といえます。

取得の核心は「新規性のある研究成果を論文にまとめ、複数の審査委員を納得させること」です。独創性の確保と長期間にわたる研究継続が、難易度を高める主な要因です。

博士号があれば教授になれるか

大学教授になるには、現在では博士号の取得がほぼ必須条件となっています。多くの大学の公募要件に「博士の学位を有すること」が明記されており、応募の入口として機能しています。

ただし、博士号はあくまで「入場券」にすぎません。実際の採用では、査読論文の本数・学会での評価・競争的資金の獲得実績など、複合的な研究業績が審査されます。

博士号を取得してもポスドク(博士研究員)として数年以上のキャリアを積み、ようやく教授ポストの候補に入れるのが一般的な流れです。

例外として、実務・芸術・スポーツ分野では、業界での顕著な実績が博士号の代わりと見なされ、博士号なしで教授に就任するケースもあります。とはいえ、それは少数例であり、アカデミックキャリアを志すなら博士号の取得が現実的な出発点です。

まとめ:博士号の読み方は場面に応じて使い分ける

博士号には「はくしごう」と「はかせごう」の2つの読み方がありますが、学術・公式の場では「はくしごう」が正式です。辞書・NHK放送基準・漢字文化資料館いずれも「はくし」を学位の標準読みとして位置づけています。日常会話では「はかせごう」も自然に使われますので、シーンに合わせて使い分けることが大切です。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 正式な読み方は「はくしごう」、慣用的な読みは「はかせごう」
  • 学術場面・公式文書では「はくし」を使うのが基本
  • 博士号は博士課程修了で得られる最高位の学位

読み方を正しく使い分けることで、学会・就職活動・ビジネス文書での印象が変わります。博士号の取得を目指している方は、制度の詳細もあわせてご確認ください。

博士号の読み方に関するよくある質問

参考文献

  1. NHK放送文化研究所「ことばQ&A」
  2. コトバンク「博士号」
  3. 漢字文化資料館「博士の読み方」

執筆者

Daigakukan Renkei 編集部
Daigakukan Renkei 編集部

編集部

大学院生のための総合情報メディア「Daigakukan Renkei」編集部。元大学院生の運営者を中心に、自身のリアルな経験と最新のデータに基づき、研究、キャリア、生活、メンタルヘルスに役立つ情報をわかりやすくお届けします。

監修者

Daigakukan Renkei リサーチチーム
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リサーチチーム

「Daigakukan Renkei」に掲載される記事の事実確認とデータ収集を担う専門チームです。各種官公庁の統計、学術動向、奨学金や就職市場の最新データを日々調査・分析しています。客観的かつ信頼性の高い一次情報に基づいたコンテンツ監修を行っています。

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