〈考え、表現し、発信する力〉を培うライティング/キャリア支援

学士課程教育の質的転換と有為な人材育成のために欠かせない〈考え、表現し、発信する力〉を、ライティングセンターを中核にした総合的なライティング/キャリア支援体制の構築を通して培う。そのために、これまで学生のキャリア形成を重視したライティング支援に取り組んできた関西大学と津田塾大学、および多様なステークホルダーが密接に連携して、日本の教育環境に適した支援体制を整備し、全国に普及させる。具体的取組としては、①ライティングセンターの機能拡張による支援体制の充実、②ライティングに特化したeポートフォリオシステムの開発、③客観的な評価指標の確立、④教育カリキュラムとの密接な連動、⑤多様な社会連携を実施する。以上により、(1)主体的学びの確立を通して学士課程教育の質的転換を実現すると共に、(2)〈考え、表現し、発信する力〉を駆使して主体的に思考し、コミュニケーションを形成・深化しうる人材を育成する。

連携校
連携機関
関西大学 津田塾大学
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組では、読解力・論理的思考力・表現力・コミュニケーション力などの多様な能力が統合された〈考え、表現し、発信する力〉を、ライティング支援を通して育成します。これによって、社会における多様なコミュニケーションを形成できる、主体的に考え行動する人材を育てます。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 持続的で活力ある社会を実現することが、わが国の重要な課題です。そのためには、〈考え、表現し、発信する力〉を備えた有為な人材が、社会で活躍する必要があるのです。

―なぜこの2大学で連携することになったのですか。

 関西大学と津田塾大学は、これまで学生のキャリア形成を視野に入れたライティング支援(ライティング/キャリア支援)に積極的に取り組んできましたが、教育理念・規模・地域など、多くの点で異なる個性を持っています。両大学の個性と強みを融合させることで高い相乗効果が期待できるため、連携することになりました。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 1年目で準備体制を整えたあと、2・3年目に、支援環境を充実させながら、教育実践を展開していきます。4年目に成果を検証し、改善を経て、5年目に総合的な支援システムを完成させる計画です。補助事業実施期間終了後は、連合組織を設立し、支援体制の維持・改善に努めると共に、構築された支援システムを全国に普及させます。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 ①新タイプのeポートフォリオシステムを開発します。これは、成果を蓄積するだけでなく、それを社会に発信するための支援ツールで、両大学で年間3千名程度の利用者を見込んでいます。
 ②〈考え、表現し、発信する力〉の向上を客観的に測る評価指標を確立し、教育に活用します。毎年、客観的評価を実施し、評価値を向上させていきます。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 ①ライティングセンターの支援体制を整備・拡充するとともに、FD活動や啓発行事などを充実させます。従来の利用実績を倍にし、両大学4千6百名程度の利用者を目標にしています。
 ②授業カリキュラムとの連携をより密にし、TAの活用や、新授業の開発などをおこないます。
 ③社会との連携体制を強化し、高大連携・産学官連携を充実させます。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 本取組の支援を受けた学生は、社会でコミュニケーションを形成し、主体的に考え行動できる人間に成長します。力の向上は、評価指標によって客観的に計測・評価され、社会に示されることになります。

ステークホルダーからのメッセージ

     WCAJ代表     東京大学大学院総合文化研究科     言語情報科学専攻・教養学部 准教授          トム・ガリー(Tom Gally)
 ライティング・センターは、北米などでは数十年前から学生の文章力を上げるために多くの大学や高校で設立されていますが、日本ではその役割やメリットがまだ十分知られていません。今回の共同事業で、The Writing Centers Association of Japan(日本ライティング・センター協会、WCAJ)は連携校と協働して、ネットワーク作り、シンポジウム開催、そして理論と実践の両面での研究により、日本のライティング教育をさらに発展させたいと願っております。

関連タグ 大阪府 教育 ライティングセンター eポートフォリオ 評価指標 キャリア支援 社会連携
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