多価値尊重社会の実現に寄与する学生を養成する教育共同体の構築

本取組は福岡県と沖縄県の8つの看護系大学が連携して、”折れにくい”学生とするために①しなやかな使命感を育成する基盤的取組と、②多様な価値を付加する先端的取組の2つの取組をステークホルダーと共に推進するものである。基盤的取組は、しなやかな使命感の構成要素である規律性、協調性、積極性を育成するキャリア像確立講義と卒業生やスペシャリストと自由に交流することのできるナーシング・キャリアカフェの設置という2つの取組からなる。先端的取組においては、他大学の特徴科目を単位互換する仕組みを開発する。連携大学の学生は単位互換によって、他大学の個性・特色といった付加価値を身につけることができ、連携大学は相互補完の関係を築くことができる。また、複数大学の特徴科目から構成される国際協力看護と災害看護の2つの授業群を事前設定する。さらには、各大学の特徴科目等の組み合わせ(授業群)により、新たな付加価値を創出する。

連携校
連携機関
福岡県立大学 琉球大学 沖縄県立看護大学 名桜大学 国際医療福祉大学 産業医科大学 聖マリア学院大学 日本赤十字九州国際看護大学 独立行政法人国立国際医療研究センター 兵庫県災害医療センター 公益社団法人福岡県看護協会 公益社団法人沖縄県看護協会 福岡看護eラーニング研究会
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組では、簡単に職場を辞めることなく専門職業人としての成長を継続するという特性である「しなやかな使命感」を持ち、国際的な場や災害支援の場において貢献できる人材を育成していきたいと考えています。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 近年、医療現場では看護職者の早期離職が問題となっています。また、国際的に活躍できる人材や災害時に的確な救援・復旧を展開できる人材が求められています。こうした社会の要請を受けて、簡単に辞めない看護師、国際協力や災害看護を実践できる看護師の育成が必要だと考えました。

―なぜこの8大学で連携することになったのですか。

 この8大学は、災害看護や国際看護、産業保健、離島や僻地での看護といった特徴的な科目を有しており、多様な価値を理解し、既存のスペシャリティを超えた付加価値の高い人材を育成するためには、これら8大学の強みを生かした連携が必要と考えました。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 平成24年度は、各大学の事情に沿った形で具体策を講じ、必要なシステム整備を行います。平成25~26年度には、統一コード化を実現し、特徴科目の相互受講体制の構築、キャリア像確立講義と合同研修の実施、学生が先輩看護師と触れあえる場である、ナーシング・キャリアカフェの設置を行います。平成27~28年度では、特徴科目の単位互換を本格的に展開し、取組終了後はコンソーシアム体を組織し、継続していく予定です。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 連携校の全学生が『しなやかな使命感』育成のためのキャリア像確立講義を受けることが可能になります。また、ナーシング・キャリアカフェにて横と縦の関係を広げていくことができるようになります。さらに、希望する学生は自身の大学だけでなく、他大学の国際看護や災害看護などの特徴科目を履修し、単位互換することが可能となり、自らの付加価値を高めることができます。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 これまで一部の大学ではキャリア教育は数回行われる程度でしたが、連携して行うことにより、8大学3千人の学生全員にキャリア教育を15回実施できるようになります。また、単位互換を行うことにより、各大学が持つ特徴がより強化された学生を育成することが可能になります。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 この連携事業を実施することで、学生の使命感が向上し早期離職を防止することにつながります。具体的には、卒業1年目の新人看護師の離職率を20%減少させます。また、付加価値を高めた学生を、国際的に活躍できる部門へ毎年5名以上、災害時に活躍できる部門へ3名以上就職させます。

ステークホルダーからのメッセージ

   公益社団法人福岡県看護協会 会長   神 坂 登世子
 平成22年4月の法律改正により新人看護職研修制度が導入され、福岡県看護協会は福岡県と連携して、研修責任者、教育担当者、実地指導者と対象別研修を実施し3年目を迎えます。導入後、新人の離職率は減少傾向ですが、都市部は依然として高く福岡県も同様です。連携取組には新人看護師の離職防止、看護職の確保定着について要請しました。大学の力を結集し、新しい教育モデルを構築し看護専門職として使命感を持った学生を育成することは、施設を超えて地域で新人を育成するという看護協会の方向性と一致します。新人看護師の課題を連携取組のメンバーと共有し、新人研修の改善等に役立てたいと考えます。

関連タグ 東京都 兵庫県 福岡県 沖縄県 教育 専門教育 しなやかな使命感 特徴科目単位互換 キャリア像確立 国際協力看護 災害看護
事業URL http://www.shinayaka-nurse.net/index.html(外部サイト)
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