繊維系大学連合による次世代繊維・ファイバー工学分野の人材育成

大学院に「繊維・ファイバー工学分野」の専攻を有する高等教育研究機関(信州大学、京都工芸繊維大学、福井大学)が教育研究資源を連携・融合し、各大学の強みを活かし、弱い機能を補完する形で我が国における繊維系大学院連合の構築を目指す。繊維系大学院連合と産業関連団体、繊維系資格関係団体、繊維系関係学会とが連携して、アカデミックインターンシップ、海外大学教員による授業を開講し、同分野の基礎から応用、製品開発までの一貫した知識・技術を修得させ、グローバルな視野を持ち、課題設定力・課題解決力、リーダーシップ、国際感覚を兼ね備えた技術者、研究者を育成することを目的とする。また、併せて産業界の要請に応える「共同の教育・質保証システム」を構築することを目指す。さらに、繊維技術士を取得できるレベルにまで若手技術者を教育し、繊維製品品質管理士を育成するための指導を行えるレベルの人材を輩出することを目指す。

連携校
連携機関
信州大学 福井大学 京都工芸繊維大学 一般社団法人繊維学会 社団法人繊維機械学会 一般社団法人日本繊維製品消費科学会 一般社団法人日本繊維技術士センター 一般社団法人日本衣料管理協会 日本繊維産業連盟
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組で目指すのは、「繊維・ファイバー工学」分野の一貫した知識・技術とグローバルな視野を持ち、課題設定力・課題解決力、リーダーシップを兼ね備え、後進の指導や教育を行える能力を持った技術者・研究者の育成です。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 「繊維・ファイバー工学」分野はグローバルにみれば成長産業ですが、我が国の教育者・研究者は激減しています。次世代を担う繊維技術士、繊維製品品質管理士や繊維に関する知識を網羅的に教育できる技術者・研究者を育成する事が急務であり、本連携で取り組むべき重要なテーマです。

―なぜこの3大学で連携することになったのですか。

 以前から繊維系大学の連携カリキュラム検討会議を重ねており、大学院に「繊維・ファイバー工学」関係の専攻がある3大学でタッグを組むことになりました。具体的には、ファイバー工学分野の国際的教育研究拠点である信州大学。人にやさしい工学を活かした繊維、バイオベース繊維に関する教育に強みを持つ京都工芸繊維大学。機能加工等に関して強みを持ち、地元繊維産業との連携教育が可能な福井大学。この3大学のそれぞれの強みを活かした形で取り組みます。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 平成24年度に、カリキュラム等詳細な運営内容について決定します。平成25年度から大学院修士課程に「繊維・ファイバー工学コース」を新たに設置し、各大学5名の学生を受け入れ、連携教育を実施します。平成28年度の事業終了時には計45名のコース修了者が巣立つことになります。本事業終了後も3大学連携体制を十分に活用し、継続して繊維系技術者・研究者を育成していきます。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 3大学と繊維系産業界・関連学協会とが連携して、他大学へのインターンシップ、海外招へい教員による授業、繊維系合同研修、eラーニング教材の整備が行えるようになります。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 企業へのインターンシップに関してはこれまでも行ってきていますが、合同研修で様々な企業の研究者と泊まりがけで討論することにより企業における研究開発や企業で必要な知識・能力についてより明確な指針が得られます。また、他大学へのアカデミックインターンシップを通してより幅広い知識や視野を得ることが可能です。さらに、海外招へい教員による授業等によりグローバルな視点が涵養されます。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 グローバルな視野を持ち、基礎から応用までの一貫した知識を有する繊維系人材を産業界等に輩出でき、新たな研究開発につながるだけでなく、蓄積された繊維系技術をグローバルに展開できます。また、連携により幅広い異分野融合も可能となり、様々な産業分野での成果につながります。

ステークホルダーからのメッセージ

        日本繊維産業連盟会長            下 村 彬 一
 繊維産業の事業基盤を維持・強化していく上で人材の育成は最も重要な課題であり、高度な技術の継承、イノベーション創出、そして次代を担う経営者育成など多くの課題があります。特に、今日ますますグローバル化する企業活動を担う人材育成が重要であり、本事業においてもグローバル人材育成の為のプログラムが推進されることを要請致しました。3大学の力を結集し、次代の日本の繊維産業を担う人材輩出に繋げて頂きたいと思います。日本繊維産業連盟としても、事業推進に積極的に参画し、各大学およびステークホルダーの諸団体と密接に協力していく所存です。

関連タグ 長野県 工業 教育 専門教育 人材育成 大学外連携 繊維 ファイバー 大学院連合 繊維技術士 繊維製品品質管理士
事業URL http://www.shinshu-u.ac.jp/research/project/sfk-renkei/(外部サイト)
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