教学評価体制(IRネットワーク)による学士課程教育の質保証

国公私立大学の連携により、全国規模の学生調査分析を基盤として、IRネットワークを通じた連携大学間での相互評価の結果ならびに学内の調査データを学士課程教育の質的向上に結びつける質保証システムの創出と教学支援組織の育成を目指す。すなわち、連携大学において学生調査、卒業生調査などを実施し、大学の状況に適合した教学評価体制を構築し、大学間相互評価を実施する。同時に実施する英語力調査ならびに卒業生調査により、グローバル化に対応した大学教育改革や就職ミスマッチの解消も目指す。さらに、教学評価人材育成のためのワークショップ事業も展開する。これらの事業により設置形態の相違を越えた国公私立大学の連携による、学士課程教育の質保証に向けた新たな教学支援モデルが構築される。さらには、教学評価のノウハウの共有化により教学評価を可能とする人材育成と日本版教学評価モデルの構築が行われる。

連携校
連携機関
北海道大学 お茶の水女子大学 琉球大学 大阪府立大学 玉川大学 同志社大学 関西学院大学 甲南大学 北海道経済連合会 京都商工会議所 堺商工会議所 神戸商工会議所 沖縄県経営者協会
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組で目指すのは、社会で求められる能力を身につけたグローバル人材の育成です。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 社会の急激な変化に対応し、継続して教育制度改革を進めることが現在の大学の課題です。その解決のためには、PDCA(Plan, Do, Check, Act)サイクルに基づく積極的な大学運営が求められています。しかし、Check(評価)の部分は脆弱であり、教育制度改革の効果を確認し、次の制度改革に役立てる仕組が必要です。本連携取組は、大学間で共通の学生アンケートを実施し、これまでにない教育評価の仕組を日本の大学に導入します。

―なぜこの8大学で連携することになったのですか。

 本取組では、どの大学にも適用できる大学教育の質保証に向けた新しい教学支援モデルの構築を目指しています。そのためには、設置形態の相違を超えた国公私立大学の連携が求められます。本取組では4国公立大学4私立大学がタッグを組みました。これら8大学は設置地域にもバラエティがあり、理想的な連携です。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 平成24年度は、IR(Institutional Research ¨大学調査)システムの仕様検討、卒業生調査の検討、英語力調査項目の決定と試行、広報システムの検討と実施を行い、教育の質保証の枠組整備に努めます。平成25年度から本格的な実施期間となり、平成28年度に5年間の連携事業のまとめを行い報告書を編集・出版し、教学評価体制の提言、成果報告会を開催する予定です。また、取組期間終了後も連携大学による教学評価体制を継続していきたいと考えています。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 この取組では、新たに教学評価体制のモデル化、 IRネットワークを活用した英語学習評価および卒業生調査を行います。教学評価のノウハウの共有化による人材育成と日本版教学評価モデルの構築を行います。英語力評価によるグローバル化への対応や、卒業生調査に基づく大学教育の職業的レリバンスの充実に有用なデータ提供ができるようになります。平成28年度には学生調査対象者数を全国で1万人とすることを目標とします。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 過去3年間にわたり4大学(北海道、同志社、大阪府立、甲南)は、IR機能の構築、IRを活用した連携大学間の相互評価、その評価結果を単位の実質化、学生の学習時間の確保に結びつける教育環境の整備を行ってきましたが、本取組では連携8大学間での相互評価結果ならびに学内の調査データを大学教育の質的向上に結びつける質保証システムの創出と教学支援組織の育成を目指します。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 この調査を拡大することで、日本の大学生の平均的な学習状況や到達度が公開されます。各大学は自学の学生の平均像を得ることで、日本の平均像との比較が可能になります。その結果、自学の弱点を補強し、長所を伸ばすことができます。

ステークホルダーからのメッセージ

         北海道経済連合会 会長            近 藤 龍 夫
 先行き不透明な経済情勢の中にあり、経済の成長と自立を進めたい北海道では、持てる地域資源を最大限に活用し、経済の底上げを図る必要があります。連携取組には、学生が社会で期待される能力を身につけられるよう、大学教育の質的向上を要請しました。8大学の力を結集し、新しい教育モデルを構築して優れた人材(地域における人的「資源」)を育成することは、将来的に経済発展につながるものと期待します。連携取組では、社会が求める大学教育を測定するための調査項目の導入等に関して協働します。

関連タグ 北海道 教育 質保証 教学評価 IR 学生調査
事業URL http://8gp.high.hokudai.ac.jp/(外部サイト)
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