近畿地区7高専連携による防災技能を有した技術者教育の構築

 兵庫県南部地震をはじめとする大規模災害から復興した経験を持つ近畿地区7高専が協働で、国公私立の垣根を越えて、災害時にリーダーとして活動できる防災技能をもった技術者教育を実施する。 まず、防災リテラシー科目を整備し、専攻に関係なく全学科共通科目として必修科目化を目指す。また、高専学生の「生きる力」を涵養し、能動的に防災に取り組む人材育成を目指す。また、市民救命士の取得や防災士養成機関として認定を目指す。さらに、各学科の特長を活かして、防災に関するコンペティション等を協同で開催し、学生の思考力や表現力、行動力を引き出す。さらに、学生寮の指導寮生が一同に交流できる合宿研修等の機会を設け、危機管理や防災体制について意見を交換する。また、被災地へ復興支援ボランティアとして学生を派遣し、復興活動を実際に体験させる。 以上の活動を通じて、安全安心まちづくりに各地区の高専が中核的な存在となることを目指す。

連携校
連携機関
明石工業高等専門学校 舞鶴工業高等専門学校 奈良工業高等専門学校 和歌山工業高等専門学校 大阪府立大学工業高等専門学校 神戸市立工業高等専門学校 近畿大学工業高等専門学校 神戸市 寝屋川市 大和郡山市 御坊市 名張市 舞鶴市
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組で目指すのは、地震などの大規模自然災害が発生した際に能動的に活動できる災害時対応力を身につけた高専生を教育し、災害時にリーダーとして活動できる技術者を育成することです。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 自然災害に対して自らの判断で生命を守る能力を養成することは急務であり、教育界全体で取り組むべき重要なテーマです。しかし、近い将来に発生する東南海・南海地震を含めた大規模災害における人的・物的被害を最小限に抑え、能動的に活動できる人材が少ないのが現状です。

―なぜこの7高専で連携することになったのですか。

 防災教育や防災技術、レスキューロボット開発など実践的な問題解決力に強みを持つ高専教育システムを結集し、大規模自然災害から復興した経験を活かして、国公私立の垣根を越えて「防災」というキーワードで7つの高専がタッグを組むことにしました。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 平成24年度は「防災リテラシー教育」を平成25年度から高専低学年への導入教育としてカリキュラム化するための準備を行います。平成25年度からは代表的な高専において防災リテラシー教育を開始します。そして、平成28年度までには防災士養成機関として認証されることを目指します。また、取組の期間終了後も防災士養成機関として高専生以外にも門戸を開放して、事業を継続していきたいと考えています。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 この取組では、新たに防災リテラシー教育を高専生に対して行います。これによって防災・減災に関する技術者教育だけでなく、救急救命講習を教育システムに取り入れることで、自主防災組織リーダー、防災ボランティア、民間企業における防災責任者など地域・職場の防災の担い手となることができます。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 これまでの技術者教育に「防災」の観点を加え、レスキューロボットの技術や被災地ボランティア等の経験をもつ高専生の教育システムを構築します。本取組により毎年千人程度の高専生が防災技能を有した技術者教育を受けることになります。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 高専生は防災リテラシー教育を受けることにより防災に対する正しい知識と対応力を身につけることができ、その成果は防災士やひょうご防災リーダーの資格取得で確認します。さらに、近畿地区7高専では平成28年度までに防災士養成機関認証を目指し、自治体や企業での防災・減災や危機対応部門で活躍する人材を輩出していきます。

ステークホルダーからのメッセージ

         兵庫県防災監                  杉 本 明 文
 近畿地区7高専が連携・協働して、災害時にリーダーとして活動できる防災技能をもった技術者の育成に取り組まれることに大きな期待を寄せています。兵庫県では阪神・淡路大震災の経験・教訓を踏まえ、様々な防災対策を実施してきました。学校や地域で防災教育や防災活動に取り組んでいる子どもや学生を顕彰する「1.17防災未来賞『ぼうさい甲子園』」の取組もその一つです。防災教育の重要性は、東日本大震災で「釜石の奇跡」と言われているように、小中学生が率先して高台へ避難し、周りの大人や高齢者の多くの生命を救ったことからも明らかです。
 この度、近畿地区7高専が若い世代から防災教育を実施するに当たり、当県としても、防災カリキュラムの作成・実践等において連携し、協働して防災教育の充実を図っていきたいと考えています。

関連タグ 兵庫県 高専連携 大規模災害 防災技能 安全安心 復旧・復興
事業URL http://www.akashi.ac.jp/csee/(外部サイト)
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