自動車・ロボットの高度化知能化に向けた専門人材育成連携大学院

 平成20年から3年間、戦略的大学連携支援事業の支援を受けた「北九州学術研究都市連携大学院カーエレクトロニクスコース」は、産学連携により修士課程学生に既存の自動車系技術の基礎知識を付与する人材育成に成功してきたが、今後さらに進展する自動車・ロボットの高度化知能化に対応するには質・量・範囲ともに拡充した体制を新たに再構築する必要がある。 本取組では、自動車・ロボティクス分野において、先端研究開発を主導する高度専門人材を継続的に育成するために、高専から修士・博士課程教育までに範囲を広げ、実習主体の実践的教育プログラムを、ステークホルダの北九州市及び自動車・ロボット関係企業との密接な連携のもとに、強力に推進する。取組範囲は機械・制御・電子・高度情報系システム開発を含み、総合技術として自動車自律走行制御および知能ロボット製作実習を実施する。また、教育の質を確保するために階層的評価システムを構築する。

連携校
連携機関
九州工業大学 北九州市立大学 早稲田大学 北九州市 FAIS(カー・エレクトロニクスセンター) 運営協議会、 事業運営委員会
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 今後ますます高度化・知能化が進む自動車・ロボット産業分野において、自身の専門分野を極めるとともに周辺技術も理解し、研究開発チームを先導する高度専門人材の育成を目指します。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 知能化自動車や今後普及が期待される家庭用サービスロボットの開発には、機械・制御・情報・電子などの工学系の広い分野が関係し、高度な専門性と広い知識と見識を有する技術者集団が必要とされますが、専門性で区分けされる従来型の教育ではそのような人材育成が困難です。

―なぜこの3大学で連携することになったのですか。

 同一キャンパスにある三大学は、平成20年度から3年間文部科学省・戦略的大学連携支援事業による支援を受け、学研都市連携大学院カーエレクトロニクスコースを開設し、各方面から高い評価を得、支援終了後も自立的に専門人材の育成に努めてきました。この活動のノウハウを活用し、自動車・ロボットの高度化知能化という全く異なる領域で3大学の得意分野を結集して、新たな教育体系を構築します。九州工大はロボット系技術を、早稲田大は自律走行制御技術を、北九州市立大は機械加工とセンシング技術を得意とします。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 平成24年度は、カリキュラムを構築し、模擬授業を行って教材を整備します。平成25年度から連携大学院カーロボコースを開設し、一部科目の試行実施を経て、平成26年度には等身大の家庭用サービスロボットの製作制御実習や本物の電気自動車を用いた自律走行実習を本格実施します。以降、改善を重ねながら、取組の期間修了後も連携大学院を継続していきたいと考えています。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 この取組では、高専・大学のインターンシップ制度を利用して、博士後期課程学生を含んだ幅広い学年層の学生達のチームで実習を行います。連携機関の北九州市および産業界からの協力と助言 を得て教育内容の充実と向上に努めます。本コースでは毎年修士課程学生40名以上、高専等のインターンシップ生10~20名の参加を目標とします。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 九州工大でのロボカップ競技会中型リーグ国内五連覇などの実績、早大と北九州市や自動車企業との自動車自律走行に関する共同研究の実績などに基づいて、チーム学習により高度専門人材を組織的に育成します。教育成果と共に、学生達の創意工夫により実用的な研究成果も期待できます。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 コース履修生の成長は総合実習履修後の発表により確認します。履修生は総合技術とリーダーシップを身に付け、各自の専門性を研究活動により極めて、関連産業界に就職します。成果の指標は関連企業への就職率とし、全力で取組を進めてまいります。

ステークホルダーからのメッセージ

         北九州市長            北 橋 健 治
 北九州市では、自動車関連企業の集積に加え、世界的なロボットメーカーが立地する地域のポテンシャルを生かした産業人材の育成に取り組んでいます。今回の取組では、北九州学術研究都市を中心とした国公私立の理工系大学院の集積を活用し、今後さらに進展する自動車・ロボットの高度化知能化に対応できる専門人材の育成を進めます。環境未来都市やグリーンアジア国際戦略総合特区など、本市が推進する「緑の成長戦略」との協働により、グリーンイノベーションによる成長モデルの構築を人材育成の面からも支え、知の拠点として発展することを期待しています。

関連タグ 福岡県 北九州学術研究都市連携大学院 自動車・ロボットの高度化知能化 高専から修士・博士課程教育まで 実習主体の実践的教育プログラム 機械・制御・電子・高度情報系
事業URL http://www.kyutech.ac.jp/car-robo/(外部サイト)
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成果報告