大学と地域社会を結ぶ大学間連携ソーシャルラーニング

 山陰地域の5大学・短大は、幅広い職業人育成を中心に個々の役割を果たそうとしてきた。しかしながら地域社会の人材ニーズに正面から向き合い応えていくためには、汎用性ある学生の力、すなわち、地域発展の鍵となる課題を発見し、発信力を発揮しながら、協働の中で未知の解を追求しようとする力をどのように伸ばすことができるか、という地域に根ざした共通課題を抱えている。 本取組は、自然・歴史・文化・産業等において、そして地域社会の抱える課題においても共通の基盤を有するこれら5大学・短大が、地域の人材ニーズに応えるというミッションを共有し、地域ステークホルダーとともに「ソーシャルラーニング」を開発する中で、共通課題を解決する試みである。 ステークホルダーが大学教育に直接関与する仕組み、地域リソースの教育的再開発、パフォーマンス評価による質保証・向上など、将来の山陰地域の教育基盤に資する取組となることを目指す。

連携校
連携機関
島根大学 島根県立大学 鳥取環境大学 島根県立大学短期大学部 鳥取短期大学
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組で目指すのは、現実社会の中で地域発展の鍵となる課題を発見し、協働の中で自らの解決策を見出していく能力を身につけ、山陰地域の活性化に貢献する人材の育成です。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 これまでの大学教育の中では地域を中心テーマに深く学ぶ機会がそれほど多くありませんでした。このため学生は自らの学修を地域社会の具体的な課題と関連させることなく就業に向かう傾向があり、ともすると地域社会の人材ニーズとの間にミスマッチを生じがちでした。

―なぜこの5大学・短大で連携することになったのですか。

 山陰地域は過疎・高齢化・少子化など多くの共通する課題を抱えています。その一方で自然・歴史・文化・産業など豊かな資産も共有しています。地域の5大学・短大が連携し、地域資源を活かした大学教育を展開することにより、地域に共通する課題に取り組む力をもった人材が育成され、地域の活性化につながる「山陰地域の教育的再開発」が期待されます。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 平成24年度は事業の中心となるソーシャルラーニングセンターを設置します。ここを拠点に25年度?27年度には各校の独自性を活かしつつ新たな地域社会学修プログラム・各種交流体験授業を本格的に開発・実施します。取組成果は随時発信し、28年度には集大成としてのシンポジウムも開催します。取組期間終了後は活動を拠点化しながらプログラムの発展・継続を図ります。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 山陰の自然・歴史・文化・産業を活かし、直接体験を核として学問的教養的探求を展開する新たな大学教育(ソーシャルラーニング)が、連携機関である山陰両県自治体・教育委員会・経済界との協働で実施されます。毎年100人程度の学生が大学の枠を超えて共同受講します。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 従来の大学教育に山陰地域の自然・歴史・文化・産業などの実体験の感動から得られる知識を加え、学生の知りたい気持ち・学ぶ意欲を大幅にレベルアップします。5大学合わせて年間のべ500人の学生が地域社会での体験的学びを展開しますので、地域の行事等さまざまな機会を通じて交流の輪が広がることでしょう。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 連携機関と共に「鳥取・島根高等教育フォーラム」を設置し、学生の成長や事業の成果を評価する指標を開発します。また地域の方々には、地域交流体験を通じて大学生の姿を直接ご覧いただき、評価やご指導をいただく機会を多く作りたいと考えています。

ステークホルダーからのメッセージ

         島根県知事            溝 口 善兵衛
 島根県は、少子高齢化や過疎化が進む一方で、豊かな自然や文化・歴史などに恵まれています。地域にある資源を活かし、「活力ある島根」を築いていくためには、地域の課題に取り組む力を持った人材の育成が求められています。
 山陰の5大学と地域の連携・交流により、地域資源を活かした新しい大学教育が展開され、地域活性化の中核を担う人材の育成と、地域社会の発展につながることを期待しています。

関連タグ 島根県 ソーシャルラーニング 山陰地域 教育的再開発 人材ニーズ 汎用性
事業URL http://cerd.shimane-u.ac.jp/social/(外部サイト)
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成果報告