産学官協働ネットワークによるイノベーション博士養成と地域再生

地域再生の核である大学は地域社会との連携によって、人材育成機能と地域課題解決機能を強化する必要がある。しかし、小規模な大学と産業基盤の弱い地域との連携だけでは発展性が乏しい。そこで、地域の枠を超えた広域産学官協働ネットワークを結成し、異なる特色を持つ大学と地方が強みを活かし、1地方だけではなし得ないイノベーション創出型人材育成と地域活性化に貢献する。本事業では、全国の特色ある国公6大学間連携を軸に、産官との強い協働体制で試行中の地域社会などアカデミア以外の様々な分野で活躍するイノベーション博士養成プログラムを基盤にし、地域の人材の育成と課題解決をセットにした(A)全国ネットワーク型地域コアの体制整備と地域問題解決による多面的人材育成と、その実績を踏まえて、地域や国公私立大学の枠を超え、産官も含めた(B)国公私立大学・公的機関・企業等の共同出資型教育研究組織設置による共同大学院運営を目指す。

連携校
連携機関
電気通信大学 室蘭工業大学 北見工業大学 富山大学 大分大学 秋田県立大学 一般社団法人コラボ産学官 秋田県産業技術センター 江戸川区 一般社団法人電子情報技術産業協会 独立行政法人産業技術総合研究所 清水建設株式会社 セイコーエプソン株式会社 野村證券株式会社 秋田精工株式会社 中央化工機商事株式会社 (2012年9月3日現在)
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組で目指すのは、イノベーションのリーダーとしての専門的能力と、俯瞰力やマネジメント力など広範で多面的な能力を備えたイノベーション博士人材の育成です。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 日本はこの20年余の間、経済のみならず多くの分野で活力をなくしており、復活・再生が強く望まれています。地域の再生ひいては日本の再生には、地域社会の課題解決に挑戦し、イノベーションを主導できる博士レベルの高度人材の育成が必要不可欠かつ喫緊の課題です。

―なぜこの6大学で連携することになったのですか。

 本連携取組の6大学は、その地域独自の特色ある教育研究機能を有しており、地域の文化や伝統産業などの地域リソースを戦略的に活用し、各地域の強みを全国的規模で連携・融合させることでシナジー効果を生み、地域の活性化を促すことができます。また産学官協働による教育プログラムを企画・運営することで社会の様々な分野で活躍できる博士の育成が可能になります。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 取組の目的達成に向け二つの計画を立てています。第一は、地域の課題解決と人材育成をセットで実施する産学官連携地域コアを設立した上で、これら6地域コアが全国的に連携してシナジー効果を発揮できるネットワーク体制を整備し、その試行を通して効果を実証します。第二は、産学官の共同出資等によってスーパー連携大学院を名実ともに産学官連携による教育研究組織の新しいモデルとすべく制度設計と設立準備を行います。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 これまでは、地域の活性化はその地域で解決しようとし、効果に限界がありました。この取組では、新たに地域間のネットワークを活用し、新しい知の融合とそれを担う高度人材の育成を有機的に一体化し、各地域の特色を生かしつつ、全国同時に地域を再生し、日本全体の再生に貢献します。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 本連携取組により、6大学で推進してきたスーパー連携大学院のカリキュラムを拡充でき、遠隔講義配信システムの能力を強化できるようになります。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 本事業により以下の成果を目標としています。
・イノベーション博士人材の輩出(日本の再生、地域の再生の核となり、アカデミア以外の分野で活躍する人材、約10名/年)
・地域コアの全国ネットワーク化による地域の活性化(6地域コアの設置、約15件/年の地域内共同研究、約15件/年の地域間共同研究)
・継続して安定的なイノベーション博士育成が行える体制の構築、そのための産学官協働大学院基地の建設等の検討案を提示

ステークホルダーからのメッセージ

    秋田県産業技術センター所長            斎 藤 昭 則
 地域の活性化を図る上で、地域経済の自立が必要です。これには、そこでいきいき働く人材を増やすことが不可欠です。そして、従来型の誘致企業の生産拠点から開発型企業への転換と創出が必要であり、このため、新しい着眼点を持つ人材の育成が重要です。たとえば、ものづくりにエンジアリングとサイエンスを導入できる人、感動や共感を産む文化を付加できる人、複雑に絡みあった課題を解きほぐすことができる人、などです。それには、今までの専門課程を修めただけではなく、複雑な課題に果敢に挑戦できる人材の養成所が必要です。本スーパー連携大学院がそれを担うことで、こうした人材が育ち、イノベーションが地方から進展できるものと期待します。

関連タグ 北海道 秋田県 東京都 富山県 大分県 工業 農業 教育 人材育成 地域再生 共同出資型教育研究組織 広域産学官協働ネットワーク イノベーション博士養成 全国ネットワーク型地域コア
事業URL http://www.daigaku-renkei.uec.ac.jp/(外部サイト)
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