実践社会薬学の確立と発展に資する薬剤師養成プログラム

薬剤師教育の充実を目的として薬学教育6年制が導入され、薬剤師に要求される基本的な知識、技能、態度を修得した学生の養成を進めてきた。しかし、薬剤師業務は更に高度化し、薬剤師に対する社会の要請も多様化している。そこで、現在薬剤師の関与が強く望まれている職務であるA)放射性医薬品調製・管理業務、B)病棟活動における専門職連携、C)救急災害時医療活動、D)在宅医療での薬剤管理指導、E)違法薬物、医薬品適正使用、ドーピングの知識普及・啓発活動について、アクティブ・ラーニングを取り入れた実践社会薬学教育プログラムを千葉大学・千葉科学大学・城西国際大学が協働して作成する。更に本プログラムを3大学が特徴的に有する教育プログラムと融合し、千葉県薬剤師会、千葉県病院薬剤師会、NPO法人医薬品適正使用推進機構等との連携のもと、社会の要請に対して主体的に考え、行動できる薬剤師の育成を行う。

連携校
連携機関
千葉大学 城西国際大学 千葉科学大学 千葉県薬剤師会 千葉県病院薬剤師会 医薬品適正使用推進機構
説明資料

―連携取組で育てたい人材像とは。

 この取組では、高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を身につけ、薬が関わる社会問題の解決に貢献できる薬剤師の育成を目指します。

―そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。

 千葉県では、医療過疎問題の解決として、在宅医療の普及が必要とされており、在宅医療に積極的に取り組む薬剤師の養成が望まれています。また、大震災の経験から、災害時における薬剤師の仕事と役割を教育する必要があります。最近、違法薬物の使用が社会問題となっており、そのような違法薬物を許さない社会の構築が急務となっています。薬学生を中心として違法薬物に対する正しい知識を若い世代に広げる取組が重要です。

―なぜ3大学で連携することになったのですか。

 薬学部では薬学6年制教育が導入され、より高度な薬剤師の育成をしてきました。千葉大学薬学部は先進医療やチーム医療教育の充実を進めてきました。千葉科学大学は日本で唯一、危機管理学部があり、災害時の薬剤師の役割を教育する上で最も適した教育環境です。城西国際大学薬学部は在宅医療を含め、地域医療に関わる薬剤師を養成してきました。今回のプログラムの開発・実践は、このような特徴ある3大学の教育活動が基礎となっています。

―取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。

 平成24年度は授業内容の整備と授業に必要な機材の調達を行います。授業の基礎的な教育にはe-ラーニングを利用するためシステム作りを行います。平成25年度から5コース、11の授業を展開します。取組の期間終了後もステークホルダーや各大学との協力により、本プログラムを継続して行く予定です。

―この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。

 この取組では、新たに実践社会薬学教育を行います。
「社会薬学」について、薬物治療のみに止まらず社会において薬が関わるあらゆる問題に対する学問的取組と定義しています。これまで薬学部では取り上げて来なかったテーマについて演習・実習を含めて実践的に毎年50人程度の学生が学びます。授業の基礎的な教育及び演習・実習のために、e-ラーニングシステムや人体シミュレーターなどの購入に経費を使用します。

―取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。

 違法薬物防止や薬物の適正使用についての啓蒙活動をアクティブラーニングとして受講生が積極的に取り組みます。学生が開発した教材を使い、若者が若者を教えるプログラムを展開します。毎年30人程度、実践的に取り組みます。学生はプレゼンテーション能力を高め、社会問題に取り組む力を伸ばします。

―連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか。

 学生はプログラムを受講すると高いコミュニケーション能力、およびプレゼンテーション能力を身につけることができます。能力の向上は、コース修了発表をもって確認します。そのような学生を平成28年度までに250人を目標に社会に送り出します。病院や薬局で薬剤師勤務をしながら、社会問題の解決にも広く活躍するよう全力で取組を進めてまいります。

ステークホルダーからのメッセージ

         千葉県薬剤師会 会長             麻 生 忠 男
 千葉県薬剤師会では、千葉県における医療過疎や医薬品の適正使用について積極的に取り組み、また災害時における薬剤師活動を支援すべく備えて参りました。現在、このように薬がかかわる様々な社会問題に対し薬剤師の活躍の場が広がっておりますが、大学において積極的に考え問題解決にあたる薬剤師の育成は遅れているといわざるを得ません。学生時代における基礎的な薬学や薬剤師業務に関する技術研修のみではなく、実践的な社会薬学教育プログラムの確立について要請をしてまいりました。3大学の力を結集し、新しい教育モデルを構築し社会薬学を実践できる人材の育成に期待しています。

関連タグ 千葉県 実践社会薬学教育 アクティブ・ラーニング 放射性医薬品 在宅医療 災害時医療
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